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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
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日銀はTB買い入れ縮小加速の好機、短期金利急低下で広がる声

  • 日銀保有は市中発行残高の1割強、7割程度の海外勢と差が拡大
  • TB市場への関わりを最小限にする良いチャンス-セントラル短資
Pedestrians walk past the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan, on Tuesday, July 31, 2018. The central bank left its key interest rates unchanged while announcing policy tweaks, including a shift in purchases of exchange-traded funds toward assets linked to the Topix equities index and flexibility in bond operations.
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行は一昨年に長短金利操作を導入して以来、量的緩和策の一環である短期国債(TB)の買い入れを徐々に減らしてきた。海外投資家の需要増加を受けて、今月に入り短期金利が急低下しており、日銀がさらに買い入れ残高を縮小することでTB市場での存在感が一段と薄まるとの見方が広がっている。

  日銀は10月からTBオペの買い入れ額を週1000億円と、異次元緩和下の最小規模に抑えている。長短金利操作導入前は週1兆~3兆円規模だった。TB3カ月物利回りがマイナス0.3%台と政策金利のマイナス0.1%を大幅に下回っていることが買い入れ縮小の背景。海外投資家はドルを元手に円を調達する際、スワップ取引を使うと、ドル需要の強さからプレミアム(上乗せ金利)を得られるため、TBを大幅なマイナス金利下でも購入している。

  セントラル短資総合企画部の佐藤健司係長は、「日銀としてもオペを突然やめられないが、続けている姿勢を示す程度で、オペの有無はあまり影響しなくなった」と指摘。「フェードアウトしたい日銀には好都合で、TB市場への関わりを最小限にする良いチャンス」とみる。

TB3カ月物利回りが急低下

  2016年9月の長短金利操作導入で金融調節目標が量から金利に変わって以来、TBオペは残高縮小が続いており、同年8月に付けたピーク45.1兆円に対し、今月10日時点で13.3兆円。市中発行残高に占める割合は4割程度から1割強まで低下し、7割程度まで膨らむ海外投資家との差が鮮明になっている。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「金利を低く抑えている外国人の買いに任せて日銀は買わなくていい。緩和効果は十分だ」と言う。

日銀のTB買い入れ減少が鮮明

日銀の占める割合は1割程度に

Source:東短リサーチ

  日銀はこれまでTB買いオペを3カ月物入札の翌営業日に実施してきたが、今月から入札の2営業日後に後ずれさせた。東短リサーチの久保田和明研究員は、「市場で発行されたものは市場で吸収してくれというメッセージだ。オペの実施を織り込んでほしくないのだろう」と分析する。

金利を上げる方向

  足元で海外勢が円を有利に調達できる背景には、年末に向けたドル需要の高まりという季節要因があり、その影響がはく落すればTB3カ月物利回りは上昇する可能性が高い。メリル日本証の大崎氏は、「3カ月物利回りがマイナス0.1%を上回ることがあっても、長期金利を振り回すようなことでもない限り、慌てて抑えるようなことはしないだろう。日銀も買わないで済むなら買いたくない」とみる。

  日銀は長期金利の許容変動幅を拡大した7月末の金融政策決定会合で、日銀当座預金のマイナス金利が適用される政策金利残高を縮小し、マイナス金利政策の効果を減じる方向の決定を行った。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「日銀のやっていることは金利を上げる方向。TBオペの縮小もその一環だが、外国人のマーケットになってしまっているため、日銀が買い入れを減らしてもなかなか金利を上げられなくなっている」と指摘する。

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