債券先物が上昇、海外不透明感でリスク回避圧力-日銀懇談会は警戒

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  • 先物は10銭高の150円29銭で引け、日中取引で約1カ月ぶり高値
  • リスクオフ意識されやすい中で後場は先物買いが増加-岡三証

債券市場では先物相場が上昇。海外情勢の先行き不透明感を背景に日本株安・円高が進むなど、リスク回避の動きが強まったことから買い圧力が掛かった。一方、日本銀行がこの日に開く市場調節に関する懇談会を控えて、国債買い入れオペの修正観測がくすぶっていることから現物債の上値は限定的となった。

  23日の長期国債先物市場で中心限月12月物は前日比横ばいの150円19銭で取引を開始。午後に日経平均株価が下落基調を強めると、徐々に水準を切り上げ、結局は10銭高の150円29銭と、日中取引ベースで9月14日以来の高値で引けた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「世界的にさまざまな問題が出てきて、先行きがどうなるか分からない状況が続いている。リスクオフが意識されやすい流れの中で、後場になって先物の買いが増える展開になった」と指摘。また、「流動性供給入札の結果がややしっかりと受け止められた」と言う。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の352回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と変わらずの0.15%で取引を開始。午後の取引終盤には0.5ベーシスポイント(bp)低い0.145%を付けた。前日は日本相互証が仲介する業者間の取引で352回債の売買が成立しなかった。

新発10年国債の取引不成立の記事はこちらをご覧下さい。

  この日の東京株式相場は大幅反落。サウジアラビア情勢など世界的に先行き不透明感が強まる中、日経平均株価は604円04銭(2.7%)安の2万2010円78銭で引けた。外国為替市場では円が主要16通貨に対して全面高となり、ドル・円相場は1ドル=112円台前半と、前日の高値112円89銭からドル安・円高が進んでいる。

流動性供給入札

  財務省はこの日に残存期間5年超15.5年以下の既発国債を対象に実施した流動性供給入札の結果は、投資家需要の強弱を反映する応札倍率は2.93倍と、前回の同年限の入札と同水準だった。

過去の流動性供給入札の結果はこちらをご覧下さい。

  午後5時半からは日銀が市場調節に関する懇談会を開催する。市場では国債買い入れオペに関する方向性を探る材料として注目されている。

  岡三証の鈴木氏は、「懇談会を無風に通過した場合は、週内に超長期ゾーン対象のオペを2回控えて、需給的には割とタイトだというところが意識されやすい。引き続き来週の金融政策決定会合やオペ運営方針の公表も控えており、横ばい推移が戻る可能性がある」と話した。

新発国債利回り(午後3時時点)

前日比
2年債不成立
5年債不成立
10年債0.145%-0.5bp
20年債0.680%-1.0bp
30年債0.915%横ばい
40年債1.080%-0.5bp
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