Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg

海外投資家の日本離れ、逆転も-インフレ加速すれば関心増すとの見方

  • 日本株は割安でも海外投資家は売り越しになっている
  • インフレが上向けばコンセンサスが変わり得るとエバコアISI
Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg

安倍トレードと呼ばれた日本株買い・円売りの取引は2013年のことだった。現在、日本経済は約20年ぶりの好調さを示しているものの、海外投資家は13年以来、日本にあまり関心を持っていない。しかしインフレ率が予想に反して回復すれば海外投資家の関心が上向く可能性があると、一部アナリストはみている。

  日本の消費者物価指数(CPI)の直近の前年比上昇率は日本銀行の目標である2%の半分にとどまっているものの、CPIほど注目されていない幾つかの指標はコスト圧力の増大を示している。企業向けサービス価格が1990年代前半以来の高い伸びとなっているほか、賃金も上昇しており、東京など主要都市の賃貸料上昇ペースも加速している。企業がこうしたコストの消費者への転嫁を開始し、全般的なインフレが定着してくれば、投資家の注目は高まり得る。

  エバコアISIの調査アナリスト、ジェウ・ナカジマ氏(ニューヨーク在勤)は、「日本企業は利益率改善と株主報酬の緩やかな増加に重点を置くようになっているとの見方で、投資家は概して一致している」ものの、だからといって日本市場をより前向きに見てはいないと分析した上で、「インフレ加速の兆候がコンセンサスの大きな変わり目になる可能性がある」と指摘した。

  日本株は直近の株安の連鎖に巻き込まれたものの、日経平均は今月初めには1991年以来の高値を付けていた。それでも日本株の株価純資産倍率(PBR)は世界株との比較で、2002年以降で最も割安な水準となっている。東証データによると、海外投資家は日本株を今年これまでに約4兆円売り越しており、このまま行けば過去4年で3回目の通年の売り越しとなる。

  エバコアが実施した調査によれば、向こう1年で値上げを見込む企業の割合が増えており、7-9月(第3四半期)には74%に達した。また、オフィス賃貸仲介を手掛ける三鬼商事のデータによると、東京の先月のオフィス賃貸料の前年比上昇率は7.6%となり、これもリフレ進行を示唆している。エバコアは大阪、名古屋、福岡でも賃貸料値上がりが加速していると指摘した。さらに、生産者物価指数も上昇し、特にサービス業ではデフレが堅調になった90年代半ば以降で最も急ペースで上げている。

  モルガン・スタンレーも日本株の環境改善を見込んでいる。ストラテジストらは先月のリポートで、株主資本利益率(ROE)がアベノミクス前の2倍の9.8%まで上昇しており、今後さらに上がる見込みだと分析した。コストが上昇する中で、企業は設備投資を増やしている。モルガン・スタンレーのベースシナリオによると、このような自己資金による成長に伴い、ROEは2025年までに12%に上昇すると予想される。ジョナサン・ガーナー氏率いるストラテジストらはコマツや三井不動産、東日本旅客鉄道の投資判断を「オーバーウエート」としている。

原題:How Investors’ Gloomy Take on Japan May Be Upended by Inflation(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE