サウジの「砂漠のダボス会議」、威信失う-世界の財界人から疑惑の目

  • ドイツ銀やJPモルガン、ブラックロックの首脳らが出席見合わせ
  • ロシア直接投資基金CEOや孫正義氏は参加予定を変えていない

Photographer: Waseem Obaidi / Bloomberg

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サウジアラビアで23日から開かれる「砂漠のダボス会議」と呼ばれる投資会議は、ジャーナリストのジャマル・カショギ氏殺害の陰にかすんでしまった。昨年は著名実業家らがサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子の大々的な経済改革計画にあやかろうとこぞって「皇太子詣で」したが、今年はそのような華やかさとは無縁になりそうだ。

  サウジの政府系ファンド、公共投資ファンド(PIF)が主催する3日間にわたる同会議(正式名「フューチャー・インベストメント・イニシアチブ」)は、経済の石油依存を打破する同国の取り組みによって生じるビジネス機会を紹介するほか、世界の財界トップが集まる中で大規模な政府契約を公表するはずだった。しかし、サウジ政府を批判してきたカショギ氏の殺害が明らかになるや、数十人の金融・実業界のリーダーが相次いで出席を取りやめた。

  欧州首脳とトランプ米大統領がカショギ氏殺害に関するより詳細な情報を求める中、サウジ政府とムハンマド皇太子は同会議でサウジのビジネスには変わりはないことを示そうと躍起になる見込みだ。

ソフトバンクの孫正義社長

写真家:Kiyoshi Ota / Bloomberg

  既にドイツ銀行のクリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)やJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン会長兼CEO、ブラックロックのラリー・フィンク会長兼CEOらが欠席を表明しており、これまでウォール街の大手銀経営幹部と親密な関係を築き、大胆な計画の資金調達をこれら銀行に頼っているサウジとムハンマド皇太子にとって打撃となる。

  しかし、ロシア政府系投資会社であるロシア直接投資基金(RDIF)のキリル・ドミトリエフCEOは依然として出席する意向。また、サウジの新ビジネス・産業都市の開発を同国と共に行うほか、サウジ国内での大規模太陽光発電事業を計画しているソフトバンクの孫正義社長も、参加の計画を変えていない数少ない企業幹部の1人だ。

  ユーラシア・グループの中東・北アフリカ担当責任者、アイハム・カメル氏は、「サウジの首脳がなんとしても投資会議を開催しようとする中で、中東地域やアジアのCEOへのさらなるシフトが進んでいる」と指摘。「サウジ首脳にとっては成功でも失敗でもないイベントとなっても問題ないが、数カ月後に、サウジの経済改革プログラムへの国際的な信頼感低下という最も重大な影響が生じるだろう」と説明した。

原題:Saudi Arabia Summit Loses Its Swagger as Elites Question Kingdom(抜粋)

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