富国生命:外債再投資のみ、米長期金利不透明で-国債投資も視野

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  • 円安進行で上期にオープン外債のヘッジ化で為替差益を確定
  • 円金利上昇で日本国債は償還分を再投資、20年国債1%超えが理想

富国生命保険は今年度下期(10月ー2019年3月)の運用計画で内外債券の残高を維持、外国債券の積み増し額を圧縮する。米中間選挙後の動向、中国経済の減速、インフレ懸念、ブレクジット(英国の欧州離脱)を含めて金融環境の不透明感が続く可能性がありリスクを抑えて様子を見る。

  渡部毅彦財務企画部長は22日のインタビューで「オープン外債を積み増すなど無理をしなくても今年度はそれなりに運用としては回っていく」と話した。アベノミクス前の1ドル=80~90円台時代に購入したオープン外債が1ドル=110円を超えた水準で償還を迎え、為替差益が運用収益を押し上げている。年度の運用収支は1ドル=108円で計画、「3-4円の円安で推移しており、当初予定よりも収益が出ている」という。

  5月の年度計画で1300億円の残高積み増しを計画していた外債は上期に1000億円を実施、下期はゼロとする。米長期金利の先行き不透明感台頭に伴い下期は償還資金の再投資にとどめる。結果として年度の積み増し額は1000億円になる。

  外債のうち1100億円減を計画していたヘッジ外債は米ドルのヘッジコスト上昇で500億円減。2400億円積み増しを計画していたオープン外債の残高は1500億円増に上期はとどまった。投資先は半分程度が米国債で残りは欧州債、豪ドル債やカナダドル債など。円安の進行で、今後償還を向かえるオープン外債について、償還益を確定させるため事後的にヘッジをかけたことで、オープン外債からヘッジ外債にシフトする動きもあった。

  下期はヘッジ外債、オープン外債とも残高維持にとどめる。外貨建て資産は全体の3割程度まで積み上がっており「良いところまできた」と見ている。保険商品は円建てのみで、資産の3割を超えて外貨建て資産を持つのは異例な状況。「外債を積み上げてきたが、不透明感が強いなかで、今後のイベントの動向を見極めるため下期については一休み」としている。

  国内債についても年度で400億円減を計画していたが、上期で300億円を減らした。下期は金利情勢を踏まえて償還資金を超長期債に再投資するだけにする。この結果、年度の圧縮額は300億円になる。

  30年国債の利回りは0.9%程度、20年債が0.7%程度まで上昇しており、「いまの不透明感が強い相場環境のなかでは為替リスクを取るより、消去法的に日本国債を買うことがあっても良い」と述べ、償還分を30年国債への再投資は可能な水準と見ている。ただ、20年国債で利回り1%を超える水準が「理想的」とし、来年度の運用計画の策定時に資金を円債シフトする基準水準になると見ている。

【2018年度下期の運用計画一覧】

単位:
億円
国内債外債ヘッジ
外債
オープン
外債
国内株外国株新規
成長
富国横ばい横ばい横ばい横ばい▲100300N.A.
三井横ばい増加100
程度
増加横ばいN.A.100
程度

【2018年度下期金融環境見通し一覧】


国内金利
(%)
米国金利
(%)
日経平均
(円)
ダウ
(ドル)
ドル円
(円)
ユーロ円
(円)
富国▲0.10~0.20
(0.15)
2.7~3.5
(3.3)
20000~
26000(24000)
23000~
28000(26500)
100~118
(113)
120~140
(132)
三井▲0.10~0.20
(0.10)
2.8~3.6
(3.2)
24000~
25300(24600)
24200~
27800(26500)
106~116
(111)
122~137
(130)

※富国生命は18年度下期の想定レンジ(年度末)
※三井生命は18年度末見込み(中心)

(第2段落に渡部財務企画部長のコメントなどを追加して更新します.)
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