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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
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30年国債利回り1%台乗せは遠い、生保など国内勢の円債回帰観測で

  • 為替ヘッジコストの増加で円債に資金が戻る
  • 生保は昨年4月の予定利率の引き下げで、運用環境が改善
The sun shines down on the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan, on Tuesday, July 31, 2018. The central bank left its key interest rates unchanged while announcing policy tweaks, including a shift in purchases of exchange-traded funds toward assets linked to the Topix equities index and flexibility in bond operations.
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本の30年国債利回りは今月に入り一時0.95%と2年半ぶりの高水準を付けたが、1%超えは難しそうだ。市場関係者は、日本銀行によるマイナス金利政策の導入以降、運用難が深刻化している生命保険会社など国内の機関投資家が1%の大台に乗る前に触手を伸ばすとみている。

  「30年債利回りが上昇すると押し目買いが入りやすく、1%はなかなか届かない近くて遠い水準だ」。野村証券の中島武信シニア金利ストラテジストは、超長期金利が一段上昇に至らない要因の一つに、外国債券の為替差損を回避するコストの増加で、円債に資金の一部が戻っていることを例に挙げる。

  ブルームバーグのデータによると、日本の投資家が10年物の米国債に投資する際のヘッジコストは3%台と2008年来の高水準に達しており、運用効果は日本国債の投資を下回るかほとんど変わらない状態だ。

為替ヘッジコストが円債回帰の圧力に

  昨年4月は、生保が運用に取り組む際の指標としている予定利率がほぼ一斉に引き下げられた。日本生命は終身保険などを1.15%から0.40%に、払込期間が20年超の個人年金などは1.15%から0.85%に変更した。予定利率の引き下げは生保の運用部隊にとって、従来のような高い利回りを追求しなくてもよいことを意味する。
 
  三井生命保険の前川等・執行役員運用統括部長は18日の記者説明会で、「20-30年ゾーンで1%程度の目線があるとありがたい」と言い、主な購入対象となる日本国債の超長期物利回りが運用をしやすい水準に近いことを示唆した。ただ、足元からさらに金利が上がる見通しは持っていないとも述べた。

  新発30年債利回りは、先月下旬に実施された超長期債の買い入れオペ減額や、今月のオペの運営方針で買い入れレンジが引き下げられたことをきっかけに、年初来の高水準近くで推移している。ただ、生保の多くは高金利時代に販売した保険契約を抱えたままで、超長期債の購入を進めるにも限度がある。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストによると、超長期利回り1%台は生保にとって保険商品の契約者に約束する運用利回りである予定利率や事務経費などのコストに見合う水準。16年のマイナス金利政策導入以降、利回りが1%を超える国債は40年物程度しか残っていない。

  30年利回りが16年2月以来の高水準となる0.95%を付けた今月4日、長期金利の指標となる新発10年物利回りは0.155%まで上昇した。長期金利は黒田東彦総裁が政策修正に関して示唆した変動の許容幅を考慮すると、上限の金利水準に4.5bpにまで近づいたことになる。JPモルガン証券の山脇貴史債券為替調査部長は、「日銀が国債買い入れの減額をさらに急ぐのは難しくなっている」と言い、30年利回りは0.9%台で当面横ばいに推移すると予想する。

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