Photographer: Balint Porneczi/Bloomberg

狙いは個人の超富裕層ーゴールドマンとモルガンS、融資拡大に躍起

  • モルガン・スタンレー、個人富裕層への融資が過去5年間で3倍
  • ゴールドマンは米国外の富裕層向け融資増やすため採用進める
Photographer: Balint Porneczi/Bloomberg

富裕層顧客に対し、ゴールドマン・サックス・グループは5分で新規事業立ち上げや納税用の資金を貸し出す。モルガン・スタンレーは高級マンション購入を現金で申し込むためのつなぎ融資を喜んで提供する。

  先週発表されたウォール街の銀行決算で、各行が個人富裕層への融資という急拡大中の市場に傾斜を強めていることが明らかになった。今のところ、その成果は出ている。モルガン・スタンレーは過去5年間に個人富裕層への融資が3倍となり、ゴールドマンは海外での展開を拡大させている。

Booming Business

Morgan Stanley has more than tripled the size of its private bank's loan book

Source: Company filings

Note: 2018 figure is as of Sept. 30

  金融危機で持株会社への移行を迫られた各銀行は近年、融資事業に活路を見いだしている。モルガン・スタンレーは同行から融資を受けている顧客の割合を2倍にする目標を設定。ゴールドマンは増収計画について、ウェルスマネジメント顧客への貸し出し拡大が計画達成に向けた主要部分になるとの認識を示した。

  サンフォード・C・バーンスタインの銀行担当アナリスト、クリスチャン・ボル氏は「金融危機以降、全般的に伸びていない証券トレーディングなどの事業と比較して、富裕層向け市場は成長を続けている。超富裕層向けはいっそう魅力的で急成長しており、マージンが大きい」と指摘。富裕層向け市場について「カスタムメードになる傾向が強い。芸術品を担保に融資を受けたい場合、日常的に利用している銀行に頼むことはできない」と説明した。

ゴールドマンのマーティ・チャベスCFO

フォトグラファー:Simon Dawson / Bloomberg

  モルガン・スタンレーとゴールドマンは、富裕層向け融資の経験と実績を積んできたJPモルガン・チェースなどの競合行に追い付くよう努めていることを認めた。競争は激化しつつあり、ドイツ銀行は1億ドル(約112億5000万円)以上の資産を持つ個人を主な対象に融資を増やすため、米国で採用を進めている。クレディ・スイス・グループは米国でのプライベート・ウェルスマネジメント事業を縮小したが、なお6月末時点で30億ドル以上の融資残高を抱える。

  ゴールドマンのマーティ・チャベス最高財務責任者(CFO)は先週のアナリストとの電話会議で、5年前にはほぼゼロだった米国外をはじめとする個人向け融資に「大きなチャンス」があるとの見方を示し、採用を進めると語った。

  ボル氏は9月の顧客向けリポートで、個人富裕層向け事業がゴールドマンの株価反転を後押しする可能性があると指摘。同事業で110億ドルの融資を増やす計画が実現できれば、ゴールドマンには8億5000万ドルの追加収入が生まれるだろうと試算した。

原題:Goldman, Morgan Stanley Want to Lend the Ultra-Rich More Money(抜粋)

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