Photographer: Yuriko Nakao

日本株は中長期的に「買い」、Tロウ・プライスが今後3年で人員6割増強へ

  • 企業統治指針導入で市場の質が向上-シガネール日本株運用部長
  • ソフトバンクやNTTを評価、注目は自動運転や医療・介護分野
Photographer: Yuriko Nakao

米独立系運用会社のTロウ・プライスは、日本で陣容を拡大する。コーポレートガバナンスコード(企業統治指針)導入で市場全体の質向上が見込めることから、同社は中長期的に日本株のパフォーマンスは上がるとみている。

  日本法人の本田直之社長は、ブルームバーグの取材に「われわれに商品力はあるので、法人・個人の顧客により丁寧に説明できる態勢を作りたい」とし、現在44人の人員を3年をめどに70人まで増員すると述べた。手始めに運用担当者と営業を仲介する株式のポートフォリオ・スペシャリストを来年初めごろに採用するという。

  同社は日本株に対して中長期的に強気な見方をしている。日本株式運用部長のアーシバルド・シガネール氏は、2015年のコーポレートガバナンスコード導入により、日本企業の独立社外取締役の数が増え、株主資本利益率(ROE)が大幅に改善していると指摘。「市場全体の質がどんどん上がっており、欧米の水準に近づいている」と理由を挙げた。割安株は経営陣の改革姿勢など数字に現れにくい要素を見る必要があることから、同社のように対話を重視し、個別株に選別投資する「ストックピッカーにとってはいい市場だ」とした。

  例えば、企業統治姿勢を高く評価している投資先としてソフトバンクグループと日本電信電話(NTT)を挙げる。シガネール氏は「ソフトバンクは孫正義氏のワンマン経営のようなイメージがあると思うが、実は企業統治のお手本のような会社だ」と述べた。シガネール氏は同社の取締役会はアリババの馬雲(ジャック・マー)会長やファーストリテイリングの柳井正会長兼社長ら個性の強い経営者が多数顔をそろえており、決して孫氏の言いなりにはならないと指摘した。

  注目セクターとしては、シガネール氏はファクトリーオートメーションや自動運転などICT(情報通信技術)の周辺産業や少子高齢化に対応した医療・介護分野などを挙げた。Tロウのグローバルでの運用残高は1兆400億ドル(約117兆円)で、うち日本株は191億ドル。シガネール氏が日本で運用する日本株ファンドの運用残高は6月末で22億ドルで、ブルームバーグのデータによると、今年これまでの運用成績は87%の競合ファンドを上回る位置に付けている。直近5年間のリターンは9.1%。

  同社は今年4月に日本拠点を法人化。それに合わせて、これまでの投資顧問業務に加え新たにファンド運用業務で金融庁の登録業者となり、今後は日本で自社ブランドの投資信託を販売できるようになった。同社は日本には1982年に事務所を開き、92年から日本株運用を開始した。

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