雨宮日銀副総裁:デジタル通貨の発行には慎重な検討が必要-講演

  • 現金には電力に依存しないというメリットがある
  • 現金を今あえてなくすことは中央銀行としてとり得ない選択肢

日本銀行の雨宮正佳副総裁は、中央銀行が現金や預金の代わりになり得るデジタル通貨を発行することについて、「金融安定や金融仲介に及ぼす影響」を慎重に検討することが必要との見方を示した。20日に名古屋市内で講演した。

  雨宮副総裁は、現在広く利用されている現金をなくすことは「決済インフラをむしろ不便にする」と指摘。現金には電力に依存しないというメリットがあることは「先日の北海道の地震でも示された」と述べた。現金を今あえてなくすことは「決済インフラの提供を通じて経済社会に貢献することを使命とする中央銀行としてとり得ない選択肢だ」と語った。

  さらに、「日銀は現在のところ、一般の支払決済に広く使えるようなデジタル通貨を発行する計画は持っていない」と指摘。デジタル通貨の発行を検討している海外の中央銀行も「取引の効率化や信用リスクのない支払決済手段の提供などを狙い」としており、預金に代わりえる通貨の発行を目的に掲げている中銀は見当たらないと語った。

  日銀は2013年4月の異次元緩和導入以来、強力な金融緩和を推進してきたが、賃金・物価が上がりにくいことを前提とした考え方や慣行の転換に時間を要している。現行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の持続性を強化するため、7月の決定会合では長期金利目標の変動を認めた。

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