英EU離脱交渉、移行期間延長で打開も-11月会議見送りも前進示唆か

  • メイ首相はアイルランド国境問題解決目指し移行期間延長に柔軟姿勢
  • 合意なきEU離脱に備える11月の臨時首脳会議は開催見送り

英国と欧州連合(EU)は、離脱交渉を打開し、妥結に道を開く合意案に向けて少しずつ前進しつつあり、交渉進展の期待が高まっている。ブリュッセルでのEU首脳会議は突破口を開くには至らなかったが、ここ数週間広がっていた不透明感の中にわずかな希望の光が見え始めた。

  英国が離脱後もEU規則に拘束される移行期間の延長にメリットがあると英・EUの双方が考え始めており、2020年12月までの1年9カ月の移行期間をさらに延ばす選択肢の検討に入った。延長が実現すれば、最大の障害であるアイルランド国境で税関検査をどう回避するかという問題の解決に交渉担当者がより多くの時間を割けることになる。

  メイ英首相はブリュッセルで記者団に対し、「交渉の最終段階に入る中で、さらに難しい局面も出てくるだろう。しかし、英国とEUの利益に合致する良い合意を確保できると私は確信している」と語った。

  今月14日には、ラーブ英離脱担当相がEUのバルニエ首席交渉官にEU側が提案したアイルランド国境問題の解決策を受け入れることはできないと通達。交渉は暗礁に乗り上げ、今週の首脳会議の機会を捉えて離脱条件を詰めるという以前からの目標が致命的な打撃を受けた。

ラーブ英離脱担当相

写真家:Chris J. Ratcliffe / Bloomberg

  ブリュッセルでの首脳会議に集まった指導者らは、9月のザルツブルクでの会議の二の舞いを避ける決意で臨んだ。英・EU双方の当局者によると、メイ首相もEU側も自分たちの立場を変えることをいとわない姿勢を示した。

  メイ首相はアイルランド国境問題の解決につなげるため移行期間延長に柔軟な姿勢を示唆。これに対しEU側も、英国全体の関税同盟残留を想定し、アイルランド国境での税関検査を回避する「バックストップ」条項付きのメイ首相の提案を検討することに同意した。

  また、今回の首脳会議が不調に終わった場合、合意なき英EU離脱に備えるため、11月に臨時首脳会議を招集する案をEU当局者は検討していたが、開催は見送られており、これも交渉前進のサインといえそうだ。

Europe’s Ties That Bind

The bloc has long-standing pacts governing trade, immigration and currency

Channel Islands and the Isle of Man are part of the Customs Union

Source: The World Bank

原題:May Gambles on Go-Slow Brexit to Help Revive Flagging Talks(抜粋)

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