債券上昇、リスクオフの日米株安が支え-日銀オペ方針に注目

  • 先物は4銭高の150円22銭、長期金利0.145%に低下
  • 株安・円高が買い材料、日銀のオペ懇談会に注目-三菱UFJ信託銀

債券相場は上昇。米中貿易戦争への懸念などから投資家がリスク回避姿勢を強めた海外市場の流れを引き継いだうえ、日本株の下落も加わり買いが優勢となった。

  19日の長期国債先物市場で中心限月12月物は前日比5銭高の150円23銭で取引を開始。日本株の下げを背景に一時150円27銭まで上げ幅を広げた。その後、株安・円高が一服すると伸び悩み、結局は4銭高の150円22銭で引けた。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長は「海外発のリスク要因で株安・円高に振れているので、円債はやや買われている」と指摘。ただ、日銀が23日に開く金融市場調節に関する懇談会で何か出るかが目先の注目点であり、上値を買い進めていく状況ではないと述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の352回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.145%で推移。新発5年債と新発30年債の利回りも低下した。

  前日の海外市場では米中貿易戦争による経済成長への影響やイタリアの債務問題などを巡る懸念からリスク回避の動きが強まり、米欧の株価が大幅に下げた。円相場は一時1ドル=111円台まで上昇。19日の東京市場では日経平均株価が先月7日以来の安値を付ける場面があった。

  中国がこの日発表した7-9月期の国内総生産(GDP)は前年同期比6.5%増と市場予想を下回り、世界金融危機直後の2009年以降で最も低い伸び率になった。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤執行役員は、中国経済の減速もあってリスク資産を取り巻く「ファンダメンタルズはあまり良くない」と指摘。にもかかわらず、金利低下が進みにくいのは「日銀のオペ減額を巡る思惑があるからだ」と言う。

  市場では日銀が23日開催の市場調節に関する懇談会で、国債買い入れオペの枠組み修正を示唆するとの観測が浮上。三菱UFJ信託銀の鈴木氏は「オペ日程を以前のように非公表化する可能性はある」とする一方、金利水準を意図的に上げるような変更はないとみている。

国債買い入れオペ

  日銀はこの日、残存期間10年超25年以下と25年超の長期国債を対象に買い入れオペを実施。市場の需給状況を映す応札倍率は両ゾーンとも前回より上昇した。岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、残存10年超25年以下の応札倍率は入札翌日とあって高かったが、利回りは実勢より低めだったので影響はないだろうと述べた。

過去の国債買い切りオペの結果はこちらをご覧下さい。

新発国債利回り(午後3時時点)

前日比
2年債-0.120%横ばい
5年債-0.060%-0.5bp
10年債0.145%-0.5bp
20年債0.685%+0.5bp
30年債0.905%-0.5bp
40年債1.085%横ばい
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