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日本株続落、中国・中東情勢を警戒-輸出中心売り、流通カード大幅安

更新日時
  • 中国GDPは6.5%増と予想下回る、米財務長官はサウジ会議欠席
  • 下落率上位にクレセゾンや丸井G、カード手数料引き下げ検討へ
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

19日の東京株式相場は続落。中国の経済情勢や米国とサウジアラビアの対立が警戒され、輸送用機器や機械など輸出株、海運や不動産、その他金融株などが幅広く安い。消費税増税時のカード手数料の引き下げ観測で、クレディセゾンや丸井グループ、楽天など流通系カード銘柄は大幅安。

  TOPIXの終値は前日比11.79ポイント(0.7%)安の1692.85、日経平均株価は126円08銭(0.6%)安の2万2532円08銭。

  セゾン投信の瀬下哲雄運用部長は、「米中貿易摩擦や中国経済の鈍化、サウジアラビア問題など悪いニュースばかりで明るい見方が広がらず、相場に力強さが戻ってこない」と指摘。中国景気の減速は貿易摩擦の影響が徐々に出てきている証拠とし、「今はまだあまり影響が出ていない米国もこの先は無傷でいられない。両国と関係が深い日本経済にはマイナス」との見方も示した。

東証内

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  中国政府が19日午前に発表した7-9月期の国内総生産(GDP)は、前年同期比6.5%増と市場予想の6.6%増を下回った。4-6月期の6.7%成長からも伸び率が鈍化。9月の工業生産は、前年同月比5.8%増と市場予想(6.0%増)に届かなかった。一方、小売売上高は同9.2%増え、市場予想(9%増)を上回った。  

  米国では、ムニューシン財務長官が「砂漠のダボス」と呼ばれるサウジアラビア投資会議への出席を取りやめた。ジャーナリストの失踪事件に関し、サウジへの説明責任を求める圧力が強まる中、トランプ政権は同国に対する姿勢を変更した。このほか、米セントルイス連銀のブラード総裁は、一段の利上げに動く根拠はないとの見方を示した。18日の米S&P500種株価指数は1.4%安、ナスダック総合指数は2.1%安と続落、米10年債利回りは3.18%と3ベーシスポイント低下した。

  アイザワ証券の清水三津雄日本株ストラテジストは、米国とサウジの関係は「米中貿易摩擦のような深い対立に発展するとは考えにくいが、世界第一の経済大国と産油国であり、世界経済に与える影響が警戒される」と話す。ブラード総裁の発言については、「規定路線の12月の利上げが難しくなる可能性が出てくると、米国の景気減速が懸念される」とした。

  週末の日本株は朝方から幅広い業種が売られ、日経平均は一時445円(2%)安まで下げ幅を拡大。ただし、為替が早朝の1ドル=112円10銭台から同40銭台までドル高・円安方向に戻したほか、中国上海総合指数が日中の年初来安値を更新した後、反発傾向を強めた午後にかけ徐々に下げ渋った。みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長は、今後の日本株について「割安なバリュエーションや良好な決算発表が相次ぐことで、いったんは株価のリバウンドが期待できる」としながらも、通期業績計画の上方修正はある程度織り込み済みで、「その先のEPSの伸びが期待できず、上値を追う展開にはなりにくい」とみていた。

  • 東証1部33業種は海運、その他製品、その他金融、不動産、石油・石炭製品、ゴム製品、機械、輸送用機器など30業種が下落、上昇は保険、電気・ガス、医薬品の3業種、その他金融の下げは世耕弘成経済産業相が消費税増税時の対応として、加盟店がクレジットカード会社へ支払う手数料引き下げ措置の検討を表明したことが響いた
  • 売買代金上位では、今期営業利益計画の下方修正はネガティブとみずほ証券が指摘したヤマダ電機が大幅安、クレディ・スイス証券が業績見通しを減額したロームのほか、任天堂やコマツ、大東建託、三菱地所、日本郵船も安い
  • 半面、JPモルガン証券が成長性を再評価したドンキホーテホールディングスが3日続伸し、慶応義塾大学と共同でパーキンソン病治療で期待される化合物を発見したエーザイも高い
  • 東証1部の売買高は12億8165万株、売買代金は2兆3989億円、値上がり銘柄数は616、値下がりは1409
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