7カ月ぶり1%物価上昇も勢い欠く、元安が足かせとの見方

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  • 生鮮食品とエネルギーを除くと前月と変わらず、0.4%上昇
  • コアCPI上昇は四捨五入の関係、ほとんど上がっていない-総務省
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

9月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は7カ月ぶりに前年比1%上昇となった。日本銀行は物価の上昇が続くとみているが、同様の見解を示すエコノミストは少ない。中国の人民元に対する円高による輸入価格低迷が足かせとなるとの見方もある。

  総務省によると、コアCPI前年比が前月から伸びを0.1ポイント高めたのは四捨五入によるもので、実際はほとんど上がっていない。生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPI前年比は0.4%上昇と前月から伸びは横ばい。総合CPIの1.2%上昇のうち、エネルギーが0.6ポイント、食料が0.47ポイントと大半を占めた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の宮嵜浩シニアエコノミストは「サービス価格は相変わらずさえない」と指摘。国内生産品は人手不足による賃金上昇で価格転嫁が進んでいるものの、人民元安で「輸入消費財の35%を占める中国製品に大幅な下落圧力がかかっている」と話した。

  黒田東彦総裁は18日の支店長会議で、需給ギャップのプラス継続や予想物価上昇率の高まりを背景にコアCPI前年比は「2%に向けて徐々に上昇率を高めていく」との見方を示した。2013年4月に異次元緩和を打ち出して以降、コアCPI前年比の最高値(消費増税の影響は除く)は14年4月の1.5%だが、日銀のもくろみ通りとなるかは不透明だ。

  食料やエネルギー頼みの物価上昇になっている点も、個人消費の先行きには懸念材料だ。大和総研の山口茜研究員は「コアCPIやコアコアCPI以上に、家計の直面する物価はかなり高まっており、個人消費を下押しするリスクは今後注意する必要がある」と述べた。

キーポイント

  • 全国コアCPIは前年比1%上昇(ブルームバーグ調査の予想中央値は1.0%上昇)ー上昇は21カ月連続、前月は0.9%上昇
  • 生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.4%上昇(予想は0.4%上昇)ー前月は0.4%上昇
  • 総合CPIは1.2%上昇(予想は1.3%上昇)-前月は1.3%上昇


(元安で中国製品に下落圧力がかかっている点を追記して更新します.)
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