Photographer: SeongJoon Cho

米、中国の為替操作国認定見送り-日本の監視継続

更新日時
  • 国家主導の中国経済モデルへの批判強化、貿易戦争激化は回避
  • 大幅な対日貿易赤字が続いていることを引き続き懸念
Photographer: SeongJoon Cho

米財務省は17日に公表した半期に一度の為替報告書で、中国の為替操作国認定を見送った。同省は中国に対し、最近の人民元安を受けて相場動向を注視すると通告する一方で、為替操作国認定によって貿易戦争が一段と激化する事態は避けた。

  ムニューシン財務長官は声明で、「特に懸念されるのは中国の為替の透明性が欠如していることと、最近の人民元安だ」とし、「われわれは中国人民銀行(中央銀行)と現在進めている協議を含め、中国の為替慣行の監視と検証を続ける」とコメントした。

  同報告書で財務省は、中国人民銀による直接的な介入はこのところ「限定的」だが、中国が為替介入を開示しないことは「極めて遺憾」だとした。

  他の主要貿易相手国も為替操作国と認定されなかった。ただ米財務省は中国の国家主導の経済モデルの批判を強めた。

  同報告書は、「2018年の実質為替レートの動き、特にドル高と人民元安が持続すれば、長く続く貿易・経常収支の不均衡は悪化するだろう」とし、「引き続き市場に依拠しないメカニズムに大きく頼っている」中国の経済モデルが「長期の世界成長見通しへのリスクを高めている」と指摘した。

  同報告書は中国の為替操作国認定は見送ったが、トランプ大統領は繰り返し、中国は通商上で有利な立場に立つため、人民元を操作していると非難してきた。

  ムニューシン長官は7月以来、このところの元安を財務省は懸念していると述べてきた。元はこの半年間でドルに対し約9%下落し、年初来のパフォーマンスでもアジア通貨で最下位となっている。このため、米中貿易摩擦が激化する中で中国が元相場を操作しているのではないかとの臆測が広がっている。

  同長官は為替報告書で、中国は米議会が定めた為替操作国の3つの認定基準に達していないと説明した。認定基準は200億ドル(約2兆2500億円)以上の対米貿易黒字、国内総生産(GDP)比3%超の経常黒字、繰り返し行われる為替介入。

  米財務省は中国、日本、韓国、インド、ドイツ、スイスの監視対象国指定を維持した。日本については、大幅な対日貿易赤字が続いていることを引き続き懸念しているとした。

  ユーロについては、ドイツなど域内の一部の国にとっては割安のようだと指摘した。財務省はドイツには世界貿易の不均衡是正の責任があると主張した。

原題:U.S. Spares China From Yuan-Manipulator Label Amid Trade War(抜粋)

(米財務長官のコメントなどを追加して更新します.)
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