為替不正操作の米公判、監視恐れぬトレーダー言葉を証人が解読

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

「ザ・カルテル」と呼ばれた英国の為替トレーダー集団は、オンラインチャットが監視されていると気づいてからも、秘密の言葉でやりとりを続け、為替相場を不正に操作するための共謀をやめなかった。元トレーダーの1人がニューヨーク、マンハッタン地区の連邦地裁で証言した。

  為替不正操作の公判が2週目に入った15日の同地裁で、バークレイズとUBSグループで為替トレーダーだったマット・ガーディナー氏は、2012-13年にトレーダーの間で交わされたチャットルームの交信や通話記録、メッセージを陪審団向けに解読してみせた。

  JPモルガン・チェースの元トレーダー、リチャード・アッシャー被告は12年7月に、ガーディナー氏やシティグループの元トレーダー、ロハン・ラムチャンダニ被告、バークレイズの元外為スポットトレーディング責任者のクリストファー・アシュトン被告とのチャットで、「コンプライアンス目的のため。ここでは共謀は起きていません。ハハハハ」と書き込んでいた。

  ガーディナー氏はカルテルだけに通じる隠語の実態にも触れ、トレーダーの1人が6億2500万ユーロ(現在のレートで約812億円)のポジションを持っていたとしたら、猿1匹(5億ユーロ)とチンパンジー半分(1億2500万ユーロ)と呼んでいたと説明した。

  同氏によると、トレーダーらはロンドンで為替市場の重要な指標が決まる前の時間帯に、自らが望む相場水準やポジションをチャットで議論。価格誘導で示し合わせて注文を入れたり、誰かの損失になりそうな場合は注文を控えたりした。08年のチャットメッセージではラムチャンダニ被告が「すごい。助け合っているじゃないか」と書き込み、これに対してアッシャー被告が「記憶する限り最高の日だ。すべて君たちのおかげだ」などと応じた。

  この裁判の行方はガーディナー氏の反対尋問に左右されそうだ。同氏は証言する代わりに訴追を免れており、被告側の弁護団は同氏が信用性に欠けていると陪審団説得を試みるとみられる。

原題:‘I Owe It All to You’: Ex-Trader Decodes FX ‘Cartel’ Tactics (1)(抜粋)

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