スマホ証券の米ロビンフッド、収入の4割はシタデルなどから-関係者

  • ロビンフッドは手数料無料の株売買サービス提供するスタートアップ
  • ペイメント・フォー・オーダーフローという手法を採用か

スマートフォン証券の米ロビンフッド・マーケッツは、2008年の金融危機後のウォール街批判に触発されて創業し、金融界の反体制文化と富裕層から盗めという精神を原点に評判を築いてきた。しかし、手数料無料の株売買サービスを提供する同社は、ウォール街で最も物議を醸している慣行の1つから収入の半分近くを得ていることが関係者の話で分かった。

  ロビンフッドは13年創業で、企業価値は56億ドル(約6270億円)と評価されるスタートアップ企業。事情に詳しい関係者が匿名を条件に語ったところによると、同社は顧客注文をシタデル・セキュリティーズやトゥー・シグマ・セキュリティーズなどの高頻度取引(HFT)会社あるいはマーケットメーカーに回すことで今年これまでの収入の4割強を獲得した。「ペイメント・フォー・オーダーフロー」と呼ばれるこうしたやり方をリテールブローカーの大部分は採用しているが、ウォール街の反体制的メッセージに基づいて設立された企業としては意外な戦略だ。

  ブルームバーグからこの手法について質問された同社は12日、同社ウェブサイトで「収益をどのように上げているか」を記した部分を修正。共同創業者ブラド・テネブ氏から書簡を掲載して概要を説明。直接の取引先を決める際には、マーケットメーカーの支払額を考慮せず、「顧客とって最良の売買執行をもたらす可能性が最も高いマーケットメーカーに注文を回している」とした。

  ペイメント・フォー・オーダーフローは、顧客を集めて取引インターフェースを構築することを専門にするロビンフッドなどリテールブローカーが、実際には顧客注文を執行せず、シタデルやトゥー・シグマなどの企業に売買を執行する権利を回す代わりに1取引当たり少額(1株当たり1セント以下)の支払いを受ける仕組み。こうしたマーケットメーカーに注文を回すやり方は、利益相反を生じさせ、消費者が損をする恐れがあるとして、規制当局や消費者保護団体は長年批判している。

  一部には、ペイメント・フォー・オーダーフローは市場インフラの極めて重要な部分であり高速で低コストの株式売買を促進しているとの見方もあるが、HFTを批判する人々は長年、こうした慣行が小口に不利で大企業に有利だと指摘している。

  連邦規制では、ブローカーは顧客取引で最良執行を追求する必要があるが、できるだけ最良の価格を見いだすことは必ずしも義務ではない。消費者保護団体はこうしたシステムについて、ブローカーが最も多く支払うマーケットメーカーに注文を回すインセンティブになっていると批判している。

  シタデルとトゥー・シグマはコメントを控えている。

ブラド・テネブ氏

写真家:Noam Galai /ゲッティイメージズ

原題:Robinhood Is Said to Get 40% of Revenue From Firms Like Citadel(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE