出光、昭シェル:交換比率1対0.41-21年度まで5000億円投資

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  • 統合新社の社名は「出光興産」、社長には出光の木藤社長が就任
  • 交換比率発表後に両社の株価は急落、出光株は一時9.1%安に

来年4月に経営統合を予定している出光興産昭和シェル石油は16日、統合に伴う株式交換比率について昭シェル株1株に対して出光株0.41株を割り当てると発表した。12月に開催予定のそれぞれの臨時株主総会で統合の承認を得た上で、来年の統合実現を目指す。 

  昭シェルの株主に出光株を割り当てる株式交換を実施する。交換比率は、15日終値の昭シェルと出光の株価比率とほぼ同じ水準となる。発表を受けて昭シェルの株価は急落。一時前日比8%安と8カ月ぶりの日中下落率となった。出光の株価も一時同9.1%安まで下落した。

  出光は現在、昭シェルに31%を出資しているが、残りの株式をすべて取得する。完全子会社化することで、実質的に統合する形をとる。出光は保有する自社株を株式交換に当てる。取得総額は足元の株価に基づく計算では約6000億円規模となる。昭シェル株は19年3月27日付で上場廃止となる。 

  統合新会社の社名は出光興産。社長には出光の木藤俊一社長が就任する。出光創業家で名誉会長の出光昭介氏の長男である正和氏が非常勤の取締役に就く。昭シェルの亀岡剛社長は代表権を持った副会長となる。木藤、亀岡の両氏は経営の執行に責任を持ち、代表権を持った会長に就任する出光の月岡隆会長は経営を監督する役割を担う。

  同日都内で会見した昭シェルの亀岡社長は「経営統合は一つのステップであり目標ではない。エネルギーをしっかりと供給できる強い企業を作る」と述べた。出光の木藤社長は「もはやわれわれは日本国内だけの石油元売り企業ではない」と指摘。その上で「環境問題への取り組みをさらに強化していく必要がある」として、太陽光や風力などの再生可能エネルギー事業に力を入れる考えを示した。

  両社は同時に21年度までに600億円の統合効果実現を目指す中期事業戦略も発表。21年度に2000億円、同年度までの3年間で累計5000億円以上の純利益を目指すとし、このうち50%以上の株主還元を実施する方針も示した。また製油所の高度化や資源開発、有機ELの海外生産設備などの投資に同3年間で計5000億円を投じる計画も明らかにした。

  両社は15年7月、経営統合を目指すと発表。17年4月までの統合を目指していたが、出光創業家が企業文化の違いなどを理由に統合計画に難色を示したことで交渉は滞った。今年7月に投資家である村上世彰氏の橋渡しがきっかけとなり、創業家からの統合合意を取り付けた。合意の条件として創業家からの取締役就任のほか、株主還元の大幅な拡充を打ち出すことなどを挙げていた。

(会見の内容などを追加します.)
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