ドル・円が112円台へ上昇、麻生財務相発言で為替条項懸念和らぐ

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  • 貿易交渉に現実問題として為替を入れるのは基本的にないと財務相
  • 欧州イベントなど控えて動きづらい-三菱UFJ銀

東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=112円台へ上昇した。先週末にムニューシン米財務長官が言及した為替条項に関連して、麻生太郎財務相が米国との貿易交渉に為替が入ることはないと述べたことを受け円売りが強まった。

  16日午後3時34分現在のドル・円相場は前日比0.3%高の112円07銭。日本株の上昇を背景にリスク回避圧力の緩和が意識される中、相場は111円73銭を日中安値にじり高の展開。午後には米金利の上昇も追い風となり、一時は112円15銭まで値を切り上げた。

  みずほ銀行の加藤倫義参事役は、実需の買いで投機勢が下を攻めあぐねていたところ、麻生財務相の発言があり、「株価も上がっていたので、短期のショート(ドル売り持ち)が切らされた」と説明。「ムニューシンの話を本気に捉えているなら、まだ様子見だろうが、そうでないならリスクオフが終わればドル・円は買いだろう」と話した。

  麻生財務相はこの日の閣議後会見で、為替問題について日米間で対話や議論が行われている事実はないとし、貿易交渉に現実問題として為替を入れるのは基本的にないと述べた。ムニューシン米財務長官は週末に、日本との物品貿易協定(TAG)交渉で通貨安誘導を防ぐ為替条項を含めるよう求める意向を示していた。

  米財務省は今週、半年次為替報告書を公表する。三菱UFJ銀行の平井邦行上席調査役(ニューヨーク在勤)は、「日本が為替操作国に指定されたりするようなことがない限り、ドル・円がここから急落することはない」と指摘。もっとも、「いったん115円を失敗した相場」で上にも行きづらいとし、17日から欧州連合(EU)首脳会談を控えて、英国の欧州連合(EU)離脱問題を巡る不透明感や米国とサウジアラビアの関係悪化など「一難去ってまた一難」という状況の中、ドル・円は動きづらいと語った。

  ポンド・ドル相場は1ポンド=1.31ドル台半ばで小動き。一方、ユーロ・ドル相場はイタリア予算案を巡る欧州委員会との対立懸念を背景に1ユーロ=1.15ドル台後半で弱含みとなった。

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