「テザー」への消えぬ懸念、ビットコインとどう違う-QuickTake

From
  • テザーまたは「USDT」と呼ばれる仮想通貨、ドルとの連動うたう
  • 価格安定を意図して設計されたいわゆる「ステーブルコイン」

仮想通貨の世界で今、最も議論を呼んでいるのがテザーだ。ドルに連動するデジタル貨幣だというのは本当なのか。テザーもしくは「USDT」と呼ばれるこの仮想通貨の人気が高まり、多くの仮想通貨市場でドルの代替として扱われていることを踏まえると、その答え次第では予期せぬ結果を招く可能性もある。

  テザーの価格はこれまで1ドル前後という狭い変動幅で推移してきたが、ここ数日間はそれを超える動きとなっている。サンフランシスコに拠点を置く仮想通貨交換業者クラケンでは15日、テザーは約90セントで取引された。

ドル連動をうたう仮想通貨テザーが急落、信頼性への疑問膨らむ

1.テザーって何?

  仮想通貨の発行体でその仮想通貨の名称でもあるが、日々その価値が変動するビットコインのような仮想通貨ではない。価格安定を意図して設計されたいわゆる「ステーブルコイン」の1つであるテザーはこれまで1ドル前後で推移してきた。

2.なぜ人気が広がったのか?

  多くのトレーダーがテザーをドルの代わりに利用している。 銀行取引システムを介する必要がないため、仮想通貨取引業者間やオンラインプラットフォーム同士での移動が容易だ。

3.懐疑的な見方があるのはなぜ?

  テザーは同社の仮想通貨がドルと完全に裏付けられていると繰り返し主張しているが、同社は保有資産の決定的な証拠を公開していない。世界最大級の仮想通貨交換業者ビットフィネックスとの関係を巡る疑問も生じている。テザーとビットフィネックスの最高経営責任者(CEO)は同一人物で、テザーをビットフィネックスで取引することはビットコインの価格押し上げに寄与するとみる市場ウオッチャーもいる。ビットフィネックスは「ミディアム」への10月8日の投稿で、支払い能力がないとの見方を否定し、引き出しは通常通り機能しているとコメントした。

4.米規制当局の対応は?

  米商品先物取引委員会(CFTC)がビットフィネックスとテザーに召喚状を昨年12月に送付したとブルームバーグが事情に詳しい関係者の話として報道。両社は今年1月の電子メールで、「われわれは定期的に法執行当局および調査を行う規制当局から法的プロセスを受ける」と説明し、「そうした要請についてコメントしないのがわれわれのポリシー」だと付け加えた。

5.仮想通貨投資家にとってテザーがそれほど重要なのはなぜか?

  テザーの市場価値は24億ドル(約2680億円)ほどだが、仮想通貨取引業者においてテザーは大きな役割を果たしている。コインマーケットキャップ・ドットコムが集計したデータによれば、10月15日時点でテザーはビットコインに次いでデジタル通貨としては2番目に活発に取引されており、他のステーブルコインは遠く及ばない。

6.今後どうなる?

  当局がテザーで何らかの不正行為の証拠を見つけたり、テザーが同社の仮想通貨1単位につき1ドルの払い戻しをする能力をトレーダーが信用しなくなれば、テザーの価値は一気に失われる可能性がある。ただ最近のテザー値下がりが一時的な現象なのか、あるいは何かより大きなことの始まりなのかは時間を経なければ分からない。ブロックチェーン(分散型デジタル台帳)投資・助言会社ケネティック・キャピタルのマネジングパートナー、ジェハン・チュー氏は「透明性欠如に対する仮想通貨コミュニティー内の批判にきっぱりと答えることができれば、テザーのステーブルコインとしての圧倒的な存在感は続くだろう」と指摘した。

原題:Why Crypto Traders Are So Worried About Tether: QuickTake(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE