三井金属:亜鉛価格見通し下期2500ドルに下げ-米中摩擦で資金退避

  • 従来はトンあたり3000ドル、「ここまで急激で短期の下げ想定せず」
  • 需給悪化見込まれる亜鉛から銅やニッケルなどに投機資金が移動

亜鉛製錬で国内最大手の三井金属は2018年度下期(10月ー19年3月)の亜鉛の国際価格の見通しを引き下げた。従来は平均で1トン当たり3000ドルを想定していたが、2500ドルへと修正した。米中貿易摩擦の悪化を背景に、今後の需給緩和が見込まれる亜鉛市場から投機資金が引き揚げられていることを反映した。

  菅原健二・金属営業部長が15日、インタビューで述べた。2500ドルを中心に上下200ドルの範囲内での推移を予測する。足元の亜鉛相場については「ここまで急激かつ短期間のうちに下げるとは想定していなかった」と指摘。需給がひっ迫している状況に変化はないとしながらも「米中対立を大きな要因として、投機資金が引き揚げられた」ことが大きいという。

  ロンドン金属取引所(LME)の亜鉛相場(3カ月)は6月に3220ドルを付けたが、その後は下落基調をたどった。米国が対中国への第3弾の制裁関税を課すと発表した9月18日には2290ドルをつけた。15日の終値は2599ドル。亜鉛は主にさび止め用のめっき鋼板として自動車や建材向けに使用される。 

  国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)は8日、18年度の亜鉛地金の世界需給バランスが32万2000トンの供給不足になりそうだと発表していた。4月時点の予測である26万3000トンから不足幅は拡大し、供給不足は3年連続となる。

  一方、オーストラリアや南アフリカでの亜鉛鉱山の新規稼働や既存鉱山の増産もあり、原料である鉱石の増産から亜鉛地金の需給バランスは供給過剰へと転換期を迎えると菅原氏はみている。ILZSGも19年は7万トンの供給不足と不足幅の大幅な縮小を予測。三井金属としては、トランプ米大統領の政策が後押しして、今後の需給緩和が見込まれる亜鉛から、当面需給ひっ迫が続くやニッケルなどの非鉄金属に投機資金が移動しているとみているという。

  三井金では亜鉛地金が供給過剰に転じるのは来年後半と予測。米中貿易摩擦による亜鉛需要の落ち込みといった影響も顕在化しておらず、中国向けの亜鉛地金の割増金(プレミアム)も上昇するなど足元では需給ひっ迫感は強い。そのため、18年度下期の亜鉛価格は2500ドルから200ドル高い2700ドル近辺での推移を見込む。

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