ドル・円が1カ月ぶり安値、日米交渉で為替条項要求との報道受け

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  • 朝方に付けた112円28銭から午後には111円82銭まで下落
  • ドル・円は底値探しの状態、為替条項が上値抑制へ-ANZ

東京外国為替市場のドル・円相場は下落し、約1カ月ぶりの安値を付けた。ムニューシン米財務長官が日米通商交渉で日本に為替条項を要求する意向との報道を受けたリスク回避の動きから、ドル売り・円買いが優勢となった。

  15日午後3時20分現在のドル・円は前週末比0.3%安の1ドル=111円86銭。朝方に付けた112円28銭から、午後には一時111円82銭と9月18日以来の水準まで下落した。円は主要通貨に対してほぼ全面高。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行マーケッツ本部の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、「肌感覚としては株の下落も良いところまで来た感じがするため、先週末くらいから、ドル・円は底値探しの状態になっている」と説明。「通商交渉における為替条項については、特に日本側が縛られるような話は出てこないと思っているが、少なくとも今週末に向けてドル・円の上値を抑えることにはなりそう」と述べた。

  15日の東京株式相場は大幅反落。日経平均株価は400円超の下げとなった。アジア株はほぼ全面安、米株価指数先物も下落している。一方、米長期金利は時間外取引で一時2ベーシスポイント(bp)低下の3.14%程度まで下げた。

  SMBC信託銀行プレスティアの二宮圭子シニアFXマーケットアナリストは、米財務省がこの日議会に提出する見通しの半年ごとの為替報告書に関し、「中国については為替操作国として認定しないことが推測されるところだが、一方で日本に対しては為替条項の話も出てきているので、その部分で円高圧力が残るところは気掛かり」と語った。

  ムニューシン米財務長官は、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれたインドネシア・バリ島で、記者団に対し、米国は日本との物品貿易協定(TAG)交渉で、通貨安誘導を防ぐ為替条項を盛り込むよう求める意向を示した。一方、茂木敏充経済再生相は、14日のNHK番組で「日米間で為替の話が問題になっているとは思わない」と発言した。

ムニューシン米財務長官の為替条項要求発言はこちらをご覧下さい。

茂木再生相の為替に関する発言記事はこちらをご覧下さい。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、ほぼ変わらずの1ユーロ=1.1557ドル。ポンド・ドル相場は0.2%安の1ポンド=1.3127ドル。一時1.3082ドルと9日以来のポンド安・ドル高水準を付けた。ドイツのバイエルン州議会選で与党が敗北したことや英国のEU離脱に向けた週末の集中協議が合意に至らなかったことなどが欧州通貨の重しとなった。

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