黒田日銀総裁、保護主義の台頭に一層の注意を払うよう訴え

  • 通商面の緊張長期化もしくは激化、実体経済や金融市場に悪影響
  • 保護主義的政策はどの国の経済の利益にもならない-黒田総裁

日本銀行の黒田東彦総裁は14日、保護主義の台頭に直面し、自由貿易の重要性についての認識を新たにして国際的な対話を続けることが不可欠だと語った。

  黒田総裁はインドネシアのバリ島で開かれたグループ・オブ・サーティー(G30)のイベントで、世界経済は拡大が続いてきたが、通商面の緊張が長期化、もしくは激化すれば、貿易活動を通じてだけでなく、企業や家計のセンチメントの悪化も通じて、実体経済や金融市場に悪影響を及ぼす恐れがあると述べた。

黒田東彦総裁(14日)

フォトグラファー:SeongJoon Cho / Bloomberg

  黒田総裁は、1年前にG30のイベントで講演した際の世界経済には極めて楽観ムードが強く、最大のリスクは油断だったと指摘。一部の国々における過去1年間の保護主義の台頭や金融状況の引き締まりは、常に監視を怠らないことの重要性を再認識させるものだと論じた。

  黒田総裁はさらに、世界的なバリューチェーンを通じて経済の相互依存はますます強まっており、保護主義的政策はどの国の経済の利益にもならないとの考えを示した。

  日本経済を巡っては、4-6月(第2四半期)の成長は底堅く、投資は増加傾向にあると言明。労働市場は完全雇用に近いが、物価や賃金の押し上げに関して人々のマインドセットを変えるには予想よりも時間がかかっており、一部の企業はむしろ省力化技術への投資を選択していると指摘した。

  また、7月末の政策委員会・金融政策決定会合では、政策金利のフォワードガイダンス導入を含め、柔軟性が高められて政策枠組みが強化されたと述べた上で、日銀として物価のモメンタムを維持することを引き続き目指す方針を表明した。

原題:Rise in Protectionism Deserves More Attention, Kuroda Says(抜粋)

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