【起債評価】下馬評覆す、AGC7年に需要-信用と希少性物言う

更新日時
  • 世界首位、1年半ぶり発行-ホンダFと出光興産が募残で不安視あっ
  • 金利急騰の前という条件決定のタイミングが良かった-投資家

AGC7年債が下馬評を覆して需要を集めた。先行した銘柄が売れ残った中でも信用力や希少性が投資家を引き寄せた。

  1年半弱ぶりのAGC債は5日、利率が0.23%に決定した。主幹事によると発行額200億円の2倍程度の需要を集めた。基準金利の7年国債利回りがプラスで定着した9月は投資家が運用に際して選別色を強め、AGCと同じ年限のホンダファイナンスと出光興産が相次ぎ募残になった。これに対してAGC債は、板ガラスや自動車ガラス世界首位に裏付けられた信用力や起債頻度の少なさが好感された。

7年債利率R&IJCR発行額倍率起債日起債頻度
AGC0.23AA-20010月5日1年半ぶり
サンケン電0.81BBBBBB+509月13日2年ぶり
出光興産0.271001.19月12日9カ月ぶり
ホンダF0.20AA501.69月7日3カ月ぶり
東電PG0.57BBB+5003.69月7日2カ月ぶり
日立物流0.251003.38月28日2年ぶり
ニチレイ0.251003.28月24日2年ぶり
東洋紡0.291002.18月24日2年ぶり

(利率:%、発行額:億円、倍率は需要倍率)
  米長期金利上昇に連れて日本の長期金利は7年を含めて4日に急上昇した。AGC債は3日までに需要調査を実質的に終えて利率が決定しており、この影響を免れた。7年国債利回りは水準が上昇しているため、後続案件ではAGC債が基準になりにくい。7年債は利率を直接決める絶対値方式が定着している。このため、国債上乗せ金利(スプレッド)を決める10年債などと比べて長期金利変動の影響を受けやすく、AGC債も起債前には販売を不安視する声があった。

  ある投資家はAGC7年債について、販売苦戦を予想していたが、三菱グループの業界最大手で需要は好調だったと指摘、金利急騰の前という条件決定のタイミングも良かったと語った。また別の投資家は、国債金利上昇で投資家の運用目線が変わっており、後続銘柄はAGCを含む7年債利率を参考にすると失敗する可能性が高まっていると話した。

  今回の調達資金は10月末までに償還を迎えるコマーシャルペーパー(CP)の返済資金に充当する。7年債はAGCにとって2002年以来16年ぶりで、財務担当者は年限選択について「資金需要と有利子負債の返済スケジュールなどを総合的に判断した」と電子メールで回答した。

【購入投資家層(比率、%)】

中央投資家中央公的、損保、投信投資顧問、
系統上部、信託(50%)
地方投資家地銀、系統下部、諸法人(50%)

【需要調査のレンジ推移(発行額、億円)】

9月28日ソフトヒアリング(200)
10月1日0.21-0.26%(200)
10月2日0.23-0.25%(200)
10月3日午前0.23-0.24%(200)
10月3日午後0.23%(200)

*社債発行予定一覧*
【起債動向】東北電200億円、太平洋セメ200億円、ヒューリク200億円

(末尾にAGC財務担当者のコメントを追加して更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE