ドルは一時112円割れ、世界的な株安でリスク回避の円買いー下値限定

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  • 一時111円97銭と9月18日以来の水準まで下落後は値を戻す
  • ドル・円、リスクオフで下落も調整良いところまで来たーCIBC証

東京外国為替市場のドル・円相場は一時約3週間ぶりに1ドル=112円台を割り込んだ。米中関係悪化や米金利高への警戒感などを背景に、前日の米国株が急落し、この日の日本株・アジア株も大幅安となるなど世界的な株安を受けて、リスク回避の円買いが優勢となった。

  11日午後3時23分現在、ドル・円は前日比0.1%安の112円21銭。朝方に付けた112円31銭から、一時111円97銭と9月18日以来の水準までドル安・円高が進んだ。その後は下げ渋る展開となった。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.3%低下の1187.38まで下げた。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、ドル・円について「米国株急落を受けてリスクオフの円買いで下げてきたが、調整としてはいったん良いところまで来ており、昨日からの下げに対して買い戻しも入りやすい状況」と指摘。「米国株はきょう、あすはまだ不安定かもしれないが、来週には企業決算が始まる。そこまで悲観的な見方は聞こえておらず、徐々に状況を好転させていく可能性が高い」と語った。

  10日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均は前日比831.83ドル(3.2%)安の25598.74ドルで終了。11日の日経平均株価は大幅反落し、915円18銭(3.9%)安の2万2590円86銭で引けた。アジア株式も全面安で、中国上海総合指数は一時5.7%安まで下げ、2014年11月以来の安値を付けた。

  一方、米長期金利は9日に約7年ぶりの水準となる3.259%まで上昇した後は低下に転じ、この日の時間外取引では3.142%まで水準を切り下げた。
  
  しんきんアセットマネジメントの加藤純チーフマーケットアナリストは、「米国株もドル・円もいったん上値を見た感が強い。大きく見れば110-114円のレンジの期間に入る」と分析。「米長期金利が3%を割ってくれば、もう少しドル・円は下に行くだろうが、まだ3.1%台。ドルの底値は限定されるだろう。基本的に12月の米利上げを念頭に相場が動くので、下は111円20銭ぐらいが良いところ」と述べた。

トランプ米大統領の発言に関する記事はこちらをご覧下さい。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.3%高の1ユーロ=1.1549ドル。一時1.1572ドルと3日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。ポンド・ドル相場は0.1%高の1ポンド=1.3215ドル。一時1.3244ドルと9月21日以来のポンド高・ドル安水準を付けた。英国の欧州連合(EU)離脱交渉でEUの首席交渉官を務めるミシェル・バルニエ氏が、合意は手の届く範囲にあると発言したことがユーロやポンドの支えとなった。

  ステート・ストリート銀行の若林徳広在日代表兼東京支店長は、「英国のEU離脱交渉の話は日替わりだが、昨日のバルニエ発言は良い方向の話で、ポンドやユーロの上昇によるドル売りが出ている」と述べた。

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