桜井日銀委員:緩和継続は金融・経済両面で不均衡蓄積のリスク

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  • 幅広い視点から副作用を点検、緩和の持続可能性を判断する
  • 世界経済先行きは不確実性高まる-保護貿易的政策が影響

日本銀行の桜井真審議委員は11日に秋田市で行った講演で「緩和的な金融環境を継続していくことは、金融・経済の両面で不均衡の蓄積につながるリスクがある」と分析した。

  金融面での不均衡として、低金利に伴う金融仲介機能の低下を指摘。従来以上に幅広い視点から政策の副作用を点検し、緩和効果と比較しながら「金融緩和政策の持続可能性を判断していくことが重要」と主張した。

  当面は現行のフォワードガイダンス(政策金利の指針)の枠組みの下で「時間をかけて金融緩和政策を継続していくことが適当」との見方を示した。2%物価目標の早期実現のため、過大な需要超過を政策的に作り出すことは、マクロ経済の不均衡拡大や金融システム上の不安定性を高める危険性があり「望ましくない」とも話した。

  景気については今後も「緩やかな拡大基調を維持する」としつつ、「世界経済の先行きには不確実性が高まりつつある」と述べた。理由として保護貿易的政策に伴う経済の下振れと国際金融市場の不確実性の高まりによる新興国の資本流出という2つのリスクを挙げた。

  日銀は9月会合で、長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営方針の維持を7対2の賛成多数で決定した。「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」としたフォワードガイダンスも据え置いた。日銀は10月30、31両日の次回会合で新たな経済、物価の見通しを示す。

  講演後に行った会見では、経済は好調に推移しており、「これ以上の緩和をする必要はない」と述べた。2%物価目標の達成は想定より遅れているが、「需給ギャップのプラスをなるべく維持し、効果を待つ」と話し、長短金利目標の調整のタイミングを「特に早める段階ではない」との見方を示した。

  日米の株価急落については、「現時点では実体経済は日米ともかなり健全だ」としつつ、市場の変動が繰り返されれば「マインドに影響するかもしれないので、しっかり注視していく」と述べた。

(6、7段落に会見での発言を追加します.)
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