マイニング半導体の巨人ビットメインに挑む元社員-IPOも選択肢

  • 楊作興氏は16年にマイクロBTを創業-北京にオフィス構える
  • マイクロBTにはビットコインキャッシュへのエクスポージャーない

仮想通貨マイニング(採掘)用半導体の設計で圧倒的な存在感を誇る中国のビットメイン・テクノロジーズに挑むのは、同社の元社員だ。楊作興氏のオフィスは北京の名門校、清華大学から車ですぐ近く。ここではエンジニアが日々、仕事に没頭。疲れ切って帰宅できない社員のために簡易ベットも用意している。

マイクロBTの北京オフィス

写真家:Giulia Marchi / Bloomberg

  ビットメイン在職時は市場をリードする半導体の設計に関わっていたと楊氏は話す。自社株を持ちたいとビットメインを共同創業した呉忌寒、詹克団両氏に持ち掛けたが、これを断られたこともあり、同社を2016年6月に退社。その1カ月後、楊氏はマイクロBTを設立。ビットメインに勝るとも劣らない優れたマイニング製品を手掛けていると自負している。

楊作興氏

写真家:Giulia Marchi / Bloomberg

  楊氏(45)はインタビューで、ビットメインとは「あらゆる分野で競合している」と述べた。厳しい闘いに挑むため来年の新規株式公開(IPO)も選択肢の一つになっている。

  ビットメインは17年時点で仮想通貨マイニング用半導体市場の約4分の3を握っていたとみられているが、サンフォード・C・バーンスタインのマーク・リ氏らアナリストはビットメインの技術的な優位さは失われつつある可能性あると指摘する。マイクロBTのような同業が市場シェアをさらに奪い始めれば、香港でのIPOを通じ大規模な資金調達を目指すというビットメインの計画は難しくなるかもしれない。

  9月26日に上場の仮申請をしたビットメインは今回の記事についてコメントを控えたが、同社の事業にとって競争激化が潜在的なリスクであるとの認識は示した。

エンジニアのための簡易ベッド

写真家:Giulia Marchi / Bloomberg

  楊氏はマイクロBTが個人投資家から2200万ドル(約25億円)相当を集め、追加調達のため中国にある複数の運用会社と協議していると説明。来年のIPOを申請することも検討していると語った。

テストボード

写真家:Giulia Marchi / Bloomberg

  マイクロBTにはビットコインキャッシュへのエクスポージャーがないというのが楊氏のセールスポイントの一つだ。ビットコインキャッシュは今年約60%値下がりしており、この仮想通貨を声高に支持しているビットメインが主要な保有者だと考えられている。ビットメインは先月のIPO申請書類で、今年1-6月に仮想通貨資産の評価損1億300万ドルがあったことを開示したが、その内訳は明らかにしなかった。

原題:Ex-Bitmain Chip Designer Takes on Crypto’s Mining Goliath(抜粋)

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