東証の現物売買システムで不具合、参加者に振り分けを依頼

更新日時
  • 午前7時30分ごろに不具合が発生、システム全体への影響なし
  • 復旧めどは夜間かあす、野村HDは注文受け付けを再開

東京証券取引所の株式売買システム(アローヘッド)で9日、一部不具合が発生した。東証では、システム全体への大きな影響はないと説明する一方、一部証券会社の間では影響を指摘する声も出ている。

  日本取引所グループ(JPX)によると、9日午前7時30分ごろに現物売買システムのアローヘッドと取引参加者を結ぶ4つのコネクション振り分け装置の1つで不具合が生じた。コネクション振り分け装置1号機に接続されている仮想サーバに接続できない状況となり、きょうの取引について東証は同8時3分以降、同2号機から4号機を利用するよう取引参加者に依頼した。

東証正面

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  東証は、売買は通常通り行われていると公表した。広報担当の三村聡氏はブルームバーグの取材に対し、「原因は究明中。4つのうち3系統は正常に稼働しており、取引参加者にはそれを通じた利用をお願いしている。注文は制限がかからない形で通常通り受けている」と述べた。

  一方、野村ホールディングスではこの不具合を受け、一部株式注文の約定、取り消し結果の反映などに遅れが出ていることを明らかにした。SMBC日興証券も東証とのシステムがつながっておらず、現物株の取引などができない状況で、大和証券グループは一部の株式注文で取引所への執行、訂正、取引ができていないとした。野村では、株式注文の受け付けを一時停止していたが、午後0時21分から注文の受け付けを再開したとウェブサイトで開示した。

  9日の東証1部売買代金は3兆380億円と、前週末に比べ9.4%増加。野村証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストは、「システムダウンではなく、一部の不具合。システム売買には影響が出ていないもようとあって、株式市場全体はそれほど大きな影響がなく、済んでいる」と指摘。ただし、「投資家はシステム障害による流動性低下を嫌う。午前はそれに乗じて投機筋による仕掛け的な先物売りも出たようだ」と話していた。

  日本取引所の横山隆介常務執行役・最高情報責任者(CIO)は会見で、関係者や投資家に対し陳謝した上で、「あすは通常売買できると認識している」と発言。障害の経緯については、午前7時31-32分ごろに特定参加者からコネクション1号機にコンピューター間で送受信される電文が大量に送信されたと説明。これは意図して行われたものではなく、証券会社側の設定間違いとの見方を示した。横山氏は、参加者との間で接続がどのような仕組みになっていたか、改善の余地があり、把握するのが第一とも述べた。

  会見に同席した東証の川井洋毅執行役員は、取引所として賠償を求める可能性については考えていないとした。東証によると、大量電文の規模は通常の1000倍以上、数十秒続いたという。

(文末の売買代金データを更新し、日本取引所グループ会見内容を追記.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE