ノーベル経済学賞ローマー氏、「知的誠実さ欠く思考」を批判

  • ローマー氏は16年の論文で経済学の研究者らを痛烈に批判
  • いいかげんな思考について他の研究者の批判を続けると同氏

技術革新が経済成長を生む仕組みに関する「内生的成長理論」で今年のノーベル経済学賞を共同受賞したポール・ローマー米ニューヨーク大学教授は、知的誠実さを欠くいいかげんな思考について、他の研究者の批判を今後も続けると語った。
  

8日のニューヨークでの記者会見で語るポール・ローマー教授

フォトグラファー:Spencer Platt / Getty Images

  気候変動の影響を定量的に評価する手法が認められたエール大学のウィリアム・ノードハウス教授と共にノーベル経済学賞の受賞が決まったローマー教授は8日記者団に対し、「それが間違っている可能性があると考えれば、それは間違いだと言うのが私の仕事だ。そうすることを認めるカルチャーを失ってはならない」と訴えた。

  ローマー氏は「われわれ自身にも同僚にも非常に厳しくなければならず、知的誠実さの欠如が示唆されただけでそれを一切容赦しない態度が必要だ。これは誰かがデータの捏造(ねつぞう)を試みる詐欺のようなことではなく、これが本当に正しいか確認を迫る力強さの欠如という意味だ」と述べた。

  ローマー教授は2016年に公表した「マクロ経済学の問題」という論文で、エコノミストが「疑似科学」ともいうべき難解なモデルにばかり目を向けたことで、マクロ経済学分野の後退が何年も続いたと経済学の研究者らを痛烈に批判した。

ウィリアム・ノードハウス教授

フォトグラファー:Paul J. Richards / AFP via Getty Images

  
  中央銀行と他の政策担当者らが欠陥のあるモデルに依拠していると考える教授は16年の論文で、消費者や企業が常に合理的な選択を行うという考え方が主流派経済学で幅を利かせる状況について、間違っているだけなく、政府の行動が大きな問題を解決できないという誤解を与える結論を導く恐れがあると主張した。

  

原題:Nobel Winner Vows ‘Zero Tolerance’ for Lazy, Untested Economics(抜粋)

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