【個別銘柄】半導体・FA下げきつい、スルガ銀も大幅安、不動産堅調

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  • 貿易摩擦懸念などで米SOXが5カ月ぶり安値、スルガ銀に行政処分
  • 信用力高い大手デベロッパーを選好する局面とSMBC日興

9日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  半導体・FA関連株:東京エレクトロン(8035)が前営業日比4.5%安の1万4520円、SUMCO(3436)が9%安の1481円など。米国のフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が8日の取引で一時2%安と3日連続で大きく下げ、日中ベースで5月4日以来の安値を付けた。米中貿易摩擦再燃への警戒に加え、米経済統計の堅調を背景に5日には3.2%台に乗せるなど米10年債利回りの上昇傾向がテクノロジー株への売り圧力となっている。工場自動化(FA)関連銘柄の下げもきつく、SMC(6273)も6.3%安の3万4030円、キーエンス(6861)も5.5%安の6万1610円。

  スルガ銀行(8358):5.4%安の574円。シェアハウスをめぐる不適切融資問題で、金融庁は一部業務停止の行政処分を出した。12日からの6カ月間、投資用不動産向け融資と自宅部分が建物の50%を下回る住宅ローンの新規取り扱いが停止となる。SMBC日興証券は、市場予想などに沿ったもので違和感はないが、悪材料の出尽くしとは考えていないと指摘。次の注目は11月14日の第2四半期決算で公表される2019年3月期業績計画の修正で、2000億円超の純損失なら自己資本比率が4%に近づくリスクもあり、銀行の存続自体が焦点になる可能性があるとしている。

  ナブテスコ(6268):7%安の2789円。SMBC日興証券は18年12月期営業利益予想を317億円から241億円に減額した。会社計画は250億円。17年2月に買収したOVALO社の減損損失と精密減速機の需要減退を反映したため。北米自動車産業の投資回復の兆しが見えず、精密減速機の下期売上高は前年同期比3%減を見込む。目標株価は3900円から3200円に引き下げ。

  大手不動産株:住友不動産(8830)が1.4%高の3989円、三菱地所(8802)が1.4%高の1867円。SMBC日興証券は不動産セクターのリポートで、オフィスをはじめ不動産賃貸ビジネスなどストックビジネスの好調が続く一方、売買ビジネスや分譲マンション事業などフロービジネスは金融環境の影響を受けやすく、利益成長が鈍化する可能性を指摘。信用力の高い大手デベロッパーを選好する局面と分析した。

  オンワードホールディングス(8016):6%安の677円。3-8月期営業利益は前年同期比58%減の6億600万円と従来計画の25億円から大きく下振れた。リアル店舗が減収、物流構造改革などでの経費もかさんだ。19年2月期計画も72億円から前期比4.5%増の54億円に下方修正。みずほ証券は、アパレル事業の苦戦が続いているとし、ガバナンス体制の見直しも含めた海外事業の立て直しが進むかどうかが今後の最大のポイント、と指摘した。

  レオパレス21(8848):6.3%安の583円。9月の入居率は88.4%だった。前月比では1.01ポイント、前年同月比では1.81ポイントのそれぞれ低下。水準自体は16年12月以来、1年9カ月ぶりの低さだった。

  IHI(7013):2.2%高の4410円。SMBC日興証券は9日のリポートで、米ヒューストンのIHI E&C訪問の結果を報告、最重要課題のエルバ島LNGプロジェクトにめどが付きつつあり、印象はポジティブとの見方を示した。追加費用リスクがある付帯設備の工事が進み、今後費用が大きく計上されるリスクは低くなっているとしている。投資判断「1(アウトパフォーム)」と目標株価5500円を継続。

  レノバ(9519):9.1%安の1200円。6-8月期純利益は前年同期比49%減の2億4100万円だった。秋田バイオマスの連結化や太陽光発電所の順調な発電で売上高は3割以上増えたが、人件費を含む開発費用の増加などが響いた。

  久光製薬(4530):8.9%安の7920円。3-8月期営業利益は110億円程度と前年同期比15%減ったもよう、と日本経済新聞が6日に報道。薬価改定で医療用医薬品の採算が悪化したため、としている。

  クレハ(4023):1.5%高の8560円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は投資判断を「中立」から「オーバーウエート」、目標株価を7710円から1万1020円に上げた。ポリグリコール酸(PGA)樹脂の販売数量増で収益拡大が継続すると予想。高いコスト競争力を誇るシェール層を持つ米テキサス州Permian地区を中心にシェールオイル・ガスの坑井掘削が急増しており、PGA事業の収益機会が増加しているほか、日揮(1963)との合弁会社によるPGA製掘削機器の販売強化でシェア上昇も期待できるとみる。

  イオンモール(8905):4.1%高の1924円。3-8月期営業利益は前年同期比1割増の245億円強になったもよう、と日本経済新聞が6日に報道。中国や東南アジアで手掛ける海外事業が初めて黒字に転換、国内事業も既存モールの増床や改装を通じ利益を伸ばしたとしている。みずほ証券は、同証予想の241億円を小幅に上回りややポジティブとし、投資判断「買い」と目標株価2500円を継続した。

  吉野家ホールディングス(9861):6%安の1754円。3-8月期純損益は8億5000万円の赤字だった。前年同期は12億9000万円の黒字。主力の牛丼チェーン店「吉野家」やうどん店「はなまる」の好調で売上高は前年同期比2.7%伸びたが、肉や米など食材価格の高騰、人手不足やアルバイト・パート時給の上昇などで人件費が増えた。19年2月期の純損益計画は11億円の赤字を維持。

  パルコ(8251):1.7%安の1214円。3-8月期事業利益は前年同期比12%減の50億4300万円だった。パルコ店舗でのテナント売上高が減るなどショッピングセンター事業が減益だったほか、エンターテインメント、総合空間両事業で前年の大型公演、受注の反動減もあった。19年2月期の事業益計画を108億円から前期比2.8%減の100億円に下方修正した。

  鳥貴族(3193):7.9%安の2227円。9月の既存店売上高は前年同月比13.1%減だった。客単価は2.5%増えたが、客数が15.3%減。既存店の前年割れは9カ月連続で、減少率が1割を超えたのは7月(11.2%)以来。

  東京計器(7721):5%安の1090円。佐野工場(栃木県)で生産している一部顧客向け一般産業用油圧機器で検査工程に不適切な事象が判明した。油圧弁、油圧ポンプとその付属品に関し、顧客との間で取り決めた検査要領による製品検査を勝手に変更あるいは省略した上で合否判定を行い、検査成績書に記入、顧客に提出していたという。また、検査要領による製品検査を実施したが、測定値がわずかに顧客仕様に達していない場合でも、仕様内に入っているよう検査成績書に記入、提出を行っていた。

  プレステージ・インターナショナル(4290):7%高の1400円。野村証券は投資判断を「中立」から「買い」、目標株価を1430円から1670円に上げた。第1四半期の営業減益は売り上げ計上の期ずれで心配はなく、通期ではロードアシスト、住宅・駐車場のトラブルに対応するプロパティアシストの伸びで増益を予想。来期も主要5事業(ロードアシスト、プロパティアシスト、インシュアランスBPO、ワランティ、カスタマーサポート)の拡大で営業増益の継続を見込む。19年3月期営業利益は会社計画の47億円(前期比11%増)に対し47億2900万円、来期は52億5100万円、再来期58億円と予想する。

  大阪有機化学工業(4187):11%高の1580円。18年11月期の営業利益計画を33億2700万円から前期比15%増の36億7500万円に上方修正した。電子材料を中心に販売が好調で、17年12月ー18年8月の営業利益は前年同期を23%上回った。期末配当予想も4円増やし19円にした。

  薬王堂(3385):6.7%高の3885円。9月の既存店売上高は前年同月比6.3%増。19年2月期では6月の5.9%を抜き、最も高い伸び率となった。3-8月期(上期)営業利益は20億9200万円で、37億8000万円を見込む通期計画に対する進捗(しんちょく)率は55%。日用品などホーム分野、食品・酒類などフード分野が1割を超す増収だった。

  セリア(2782):3.8%安の3710円。9月の既存店売上高は前年同月比0.1%増。前年水準を上回るのは3カ月ぶりで、客数が0.6%減だった半面、客単価は0.7%増えた。SMBC日興証券は、曜日の影響を除けば1.4%減だと指摘。時短営業によるマイナスの影響や災害復興需要のプラスの影響もあり、特殊要因を除くトレンドは見えにくいとしている。

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