トレーダー、AIが24時間チャットや電話を監視-「悪夢」の声も

  • 悪態をつくのもニュース記事を友人に送るのも監視に引っかかる
  • もう罰金は真っ平の銀行、まるで独裁国家のような厳重監視

銀行業界は世界的なスキャンダルで140億ドル(約1兆6000億円)の罰金や和解金を支払った。これ以上は真っ平だと考える銀行はトレーダーらを厳重に監視している。

  相場操作や顧客の注文を先回りするフロントランニング、不利になった取引をキャンセルするラストルック慣行が横行していたとされる2010年代の初めの頃に比べ、今は環境が一変した。

  今日のトレーダーらはまるで独裁国家の市民のように、24時間の監視にさらされている。取引デスクばかりではなく、チャットルームや電話での会話を機械学習と人工知能(AI)が24時間モニターし、犯罪や立場悪用の兆しがわずかでもあれば信号を出す。

有罪判決を受けたマーク・ジョンソン被告

フォトグラファー:Mark Kauzlarich / Bloomberg

  ある為替トレーダーは電話で悪態をついただけで通報され叱責されたと話した。公に話す権限がないとして匿名を条件に語った。

  ウッドマン・アセット・マネジメントの外為・トレーディング責任者、トマス・ウィンド氏は「悪夢だ」と言う。「誰も何もできない」と話す同氏は、ニュース記事をアジアの友人にインスタントメッセージで送ったところ、友人の勤め先の銀行から規則違反ではないかとの問い合わせを受けた。公表されているニュース記事を送ることに問題はないと答えたが、相手方のコンプライアンス担当者は引き続きチャットをモニターすると述べたという。

  電子的な探偵団は取引記録も精査する。異例の規模や怪しいタイミング、異常な価格がないかを見張っていると、コンプライアンスとリスク、金融犯罪に関するソフトウエアを開発するNICEアクティマイズのディレクター、スティーブ・ロガルボ氏が説明した。

  不祥事で罰金を支払ったり逮捕者を出したりした後、業界は2014-17年にかけてコンプライアンスに23億ドルを費やした。その半分が監視の費用だと、エイト・グループのシニアアナリスト、ダニエル・ティエルニー氏は見積もった。

原題:F-Bombs Earn Currency Traders a Scolding Under New Surveillance(抜粋)

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