三菱ケミは脱プラで代替品めぐり協議、スタバやマクドナルドなどと

  • ケンタッキーフライドチキンなど展開する米ヤム・ブランズとも交渉
  • 価格は従来品の3-4倍、消費者の値上げ受け入れが課題

Photographer: Brent Lewin / Bloomberg

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三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱ケミカルは、自社開発した生分解性プラスチックを使ったストローや容器の採用をめぐり、米スターバックスマクドナルドなど世界展開する複数の大手飲食チェーンと協議を進めている。世界規模での採用が決まれば、プラスチックごみによる海洋汚染の問題に大きく貢献することになる。

  事情に詳しい複数の関係者が交渉が継続中であることから匿名を条件に明らかにした。関係者の1人によると、交渉先には2社のほかケンタッキーフライドチキンやピザハット、タコベルなど複数ブランドを運営する米ヤム・ブランズも含まれるという。

  素材を製造する企業が直接飲食チェーンと交渉することは異例で、通常はストローや容器を製造する企業や卸売業者が飲食店側と協議する。プラスチックごみの問題は社会的な問題となっており、環境負荷の低い製品の採用はブランドイメージを向上させる経営判断のひとつとの認識がユーザー側で高まっていることに加え、価格が従来品より大幅に上昇することなどから、三菱ケミカルが直接協議しているという。

  ストローやカップなどプラスチック製品がごみとして海に流出した場合に微細なプラスチック破片となって生態系に影響を与えることが問題視されており、海洋投棄規制やプラスチック製品の使用制限などを求める声が世界的に高まっている。

  スターバックスやすかいらーくホールディングスなど国内外の飲食チェーンはプラスチック製ストローなどの使用を中止する計画を相次いで発表。代替品として耐水性が低く触感が違う紙製のストローや容器を取り入れる動きもある。三菱ケミカルが現在協議している飲食チェーンは、従来の商品と同じ感覚で使用でき、環境への負担も少ない生分解性プラスチックに関心を示しているという。

  同社の生分解性プラスチックは微生物の働きで水と二酸化炭素に分解される。2016年1月には食品包装材への使用で米食品医薬品局の認証を取得している。同年には生分解性プラスチック素材を製造するため、タイ石油公社傘下のPTTグローバル・ケミカルと合弁工場を稼働させている。

  新素材を活用した製品は見た目は従来品と同じでも価格は3ー4倍になる。そのため、最終的にはコストの増加が課題となる可能性が高いと関係者は指摘する。消費者がコスト増による値上げを受け入れるかどうかの見通しが立っていないため、飲食チェーンが負担した場合には収益を圧迫することになる。

  三菱ケミカルHD広報担当の清水治氏は「商品化を目指して国内外の飲食大手などと協議しているのは事実」と認めたが、何も決まっていないとして詳細についてはコメントを控えた。スターバックスやマクドナルドの広報担当も回答を避けた。

  ヤムの広報担当者は、同社のブランドはリサイクルと廃棄物削減に重点を置き、世界中のサプライヤーと数多くの持続可能なパッケージングオプションについて積極的に取り組んでおり、顧客と環境の両方にきめ細かく考慮していると述べた。

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