【来週の日本株】下値固め、米金利動向を注視

  • 米10年債利回りが7年ぶり高水準、米物価指標は強含みの見通し
  • 米国では金融、国内はFリテイリなど小売企業の決算発表相次ぐ
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

10月2週(9ー12日)の日本株相場はスピード調整継続で軟調となりそう。米国で長期金利が上昇傾向にあり、景気への影響や債券と比べた株式投資の魅力度低下が懸念される。内外決算発表が始まり、業績期待から下値は限定的とみられる。

  米国では、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が経済の好調と利上げ継続を改めて強調し、10年債利回りが一時3.2%を上回り7年ぶり高水準となる中、10日に9月の生産者物価、11日に消費者物価が発表される。生産者物価は前月比0.2%上昇(前月は0.1%下落)、消費者物価はコア指数で0.2%上昇(同0.1%上昇)が見込まれており、堅調な経済指標を受けて金利がさらに上がる可能性がある。

  急速な金利上昇は景気にマイナスに働く半面、金融株にとっては運用環境改善につながる好材料。12日にはJPモルガン・チェース・アンド・カンパニーやシティグループといった金融機関の決算発表が相次ぐ。足元の決算はポジティブ内容が優勢だ。このほか、11日は20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議、12日は中国の9月の貿易収支が発表予定。

昨年のFリテイリ決算発表、柳井氏

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  国内では9日のJ.フロント リテイリング、11日のセブン&アイ・ホールディングスやファーストリテイリングと、小売企業の決算発表が本格化する。Fリテイリの2018年8月期営業利益の市場予想は2355億円で、前の期比28%増の2250億円という会社計画を上回る。一方、10日に発表される8月の機械受注は前月比4%減と、11%増だった前月からの反動減が見込まれている。12日は株価指数オプション10月限の特別清算値(SQ)が算出される。第1週の日経平均株価は週間で1.4
%安の2万3783円72銭と4週ぶりに下落。

≪市場関係者の見方≫
しんきんアセットマネジメント投信の鈴木和仁シニアストラテジスト
  「底固めの展開を予想している。米国経済は良好な雇用環境を背景に企業マインドと個人消費が堅調で、来年半ばまで強い状況が続くとみられる。FRBによる来年3回の利上げ見通しをマーケットは完全に織り込んでいないため、米金利はそのギャップが意識されている。CPIやPPIが強含むと長期金利が下がりづらくなり、2月の株価急落がイメージされて高値警戒感がある米国株はもみ合いとなりやすい。日経平均は9月からの上昇幅の38.2%押しにあたる2万3500-3600円近辺までいったんスピード調整の可能性がある。ただ、企業業績への期待で先高観が強く、米金利など外部環境が落ち着けば持ち直しも早いだろう。米国では金利が上昇気味とあって、金融決算は失望させる数字が出にくいと想定される」

JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジスト
  「米国で公表される物価関連指標が前月から加速するとの予想があり、インフレによる引き締め懸念から金利上昇を招き、株価にマイナスに働く可能性がある。来年の米利上げ見通しはFRBの3回に対し市場は2.4回で、物価上昇の加速でもう少し織り込んでいくという流れもあり得る。米国で引き締め警戒が強まると新興国通貨が売られ、実効為替レートでみた円高が進み、日本株にも厳しい展開になることには要注意だ。中国の貿易収支は、米国による関税引き上げ前の駆け込み需要で輸出はこれまで落ちていなかったものの、徐々に悪影響が確認されれば、再び対立が広がって悪材料になる。一方、日米景気の堅調で今後の企業決算発表では、良好な実績や通期計画の上方修正などが見込まれ、業績期待が相場を支えよう」

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