米労働市場、なぜ仕事掛け持ちが減らないのか

  • 複数の仕事持つ労働者の割合、雇用市場拡大してもほぼ変わらず
  • 9月統計予想:非農業部門雇用者18.4万人増、平均時給2.8%増
Employees do welding on a a railcar structure at the Bombardier Inc. assembly plant in Ciudad Sahagun, Mexico, on Wednesday, July 3, 2013.

Photographer: Susana Gonzalez / Bloomberg

Photographer: Susana Gonzalez / Bloomberg

米労働市場はここ数年で大きく改善したが、唯一ほとんど変わらない重要なデータがある。仕事を掛け持ちする労働者の割合だ。

  複数の仕事を持つ労働者が雇用者全体に占める割合は8月に5.1%。労働市場の拡大が2009年半ばに始まって以降、この割合は一環して5%前後で推移している。

  米失業率は3.9%と約50年ぶりの低水準に改善し、景気後退直後の半分より低くなったが、複数の仕事を持つ労働者の割合に大きな変化はない。今年に入ってからの非農業部門雇用者の月間増加数は昨年のペースを上回っている。5日に発表される9月の米雇用統計でも、要件を満たす労働者が不足する中、求人需要が一段と強まっている状況が示されるもようだ。

  8月の平均時給は前年同月比2.9%増となったものの、金融危機前の伸びとの差はなおある。これが、一部労働者が複数の仕事を掛け持ちし続ける主な理由だ。ただ、このデータには、高い教育を受けた労働者がさらなる仕事にチャレンジする、いわゆるギグ・エコノミー(単発、短期の仕事請負)や、若手労働者が多様さやワーク・ライフ・バランスを目指す動きも反映されていると、エコノミストは指摘する。

  ムーディーズ・アナリティクスの金融政策調査責任者ライアン・スイート氏は、「労働市場は全米で等しく逼迫(ひっぱく)しているわけではない」とし、労働者の賃金上昇に「十分な力強さはない」と指摘。同時に、「ほぼ全ての指標で見て、労働市場は本当に強い」と分析し、「労働者に与えられる機会は大きく増えている」と述べた。

  一般的に、複数の仕事に従事する人の割合が減れば、手当がより充実し、時間のやりくりがしやすい正規の職に移行する人が増えていることを示す好ましいサインと考えられる。しかしスイート氏は、複数の仕事保有者の統計は恐らく、経済の変化や人口動態に関する「より構造的なもの」も映しているとし、同統計に今後も大きな変化は見られない可能性があるとの見方を示した。

9月の米雇用統計についてブルームバーグがまとめた市場予想

  • 非農業部門雇用者数は前月比18万4000人増。8月は20万1000人増
  • 失業率は3.8%に低下、1969年以来の低水準に並ぶ
  • 平均時給は前年比2.8%増。8月は2.9%増

  8月の雇用統計は平均時給が市場予想を上回る伸びとなったことで、債券売りを引き起こした。米10年債利回りは9月に3%を超えた。

原題:Why So Many Americans Still Work Multiple Jobs in Strong Market(抜粋)

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