米経済好調を賛美のパウエル議長、トランプ大統領が嫌う利上げ継続へ

  • 「米国にとって中長期的に正しいことをするよう努めるだけ」と発言
  • 先月の利上げ決定のわずか数時間後にトランプ大統領は当局を批判

米経済の好調ぶりを目にして、ほとんど興奮を抑えきれないワシントンの有力者はトランプ米大統領だけではない。

  トランプ大統領が指名し、自身の期待に反して利上げしたとして大統領が不満をぶちまけたパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長もその1人だ。

  この1週間で公の場に姿を現す回数がFRBウオッチャーも前例がないとする4回にわたったパウエル議長は、米経済のパフォーマンスを「極めてポジティブ」「類いまれな」「非常に明るい」などと重ねて賛美するとともに、好調は続くとの見通しを示した。

  パウエル議長は3日のイベントで、「この景気サイクルが長期間、実質的にはいつまでも続くのは不可能だと考える理由はない」と指摘した。このメッセージは投資家にもよく伝わった様子で、米国株は最高値を試す一方、米10年債利回りは2011年以来の高水準に急上昇した。

  米供給管理協会(ISM)が3日発表した9月の非製造業総合景況指数は記録的な高水準に達し、ADPリサーチ・インスティテュートが発表した同月の米民間雇用者数は7カ月ぶりの大幅増となった。これを受け、トランプ大統領は「新規雇用で爆発的数字。それとは別にサービスも。相場は上昇!」とツイートした。

  パウエル議長は米経済を巡る楽観的な発言に合わせて、金融当局が漸進的な利上げ継続の軌道にあることを付け加えるのを忘れなかった。だがメッセージの趣旨は、それでも借り入れコストは依然経済を支える水準で、今後も恐らくしばらくそうした状況が続くという、安心感を与える内容だった。

  「金利は依然緩和的だ」としながらも、成長を加速も抑制もしない「中立的な水準へとわれわれは徐々に向かっている」とパウエル議長は指摘。その上で、「われわれは中立を超えるかもしれない。しかし現時点では恐らく、中立金利まで長い道のりがある」と付け加えた。

  アトランティック誌とアスペン・インスティチュートが共同で開催した3日のイベントに参加したパウエル議長は、トランプ大統領の利上げ批判についてベテランテレビキャスター、ジュディ・ウッドラフ氏に問われ、「基本的に管理可能なことの管理に重点を置くようにしている。それ以外のことに気を取られないようにする」などと答え、聴衆の笑いを誘った。

  トランプ大統領が最後に金融当局を批判したのは、9月26日の利上げ決定のわずか数時間後のことだ。その後は大統領と個人的に話していないとするパウエル議長は、「われわれとしては、米国にとって中長期的に正しいことをするよう努めるだけだ」と語った。

原題:Powell Heaps Trump-Like Praise on Economy as Fed Rate Hikes Loom (抜粋)

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