パウエル発言で時価総額172兆円消失、政策ミス暗示か-JPモルガン

  • さまざまなリスクを米金融当局が過小評価している可能性を示唆も
  • その結果、将来的に政策ミスを犯す蓋然性が高まることもあり得る
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米国株の相場は過去最高値水準にあるが、それでも米連邦準備制度が政策ミスを犯す確率の上昇を織り込みつつある可能性が高い。

  JPモルガン・チェースのストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏とブラム・カプラン氏は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言に対する今年の株式市場の反応を検証した結果、そのような結論を導き出した。

  両氏によれば、S&P500種株価指数のリターンに連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見が平均で44ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)、議会証言や他のスピーチが40bpのマイナスの影響を及ぼした。3回の会見全てと、議会証言およびスピーチは9回中5回がマイナスに作用した。

  ストラテジストらのリポートは「市場の反応がそれぞれのスピーチのせいだと確実に言うことはできない」としながらも、パウエル議長の一連のコメントを受けて、米株市場から合計で約1兆5000億ドル(約172兆円)の時価総額が失われたと分析した。

  ストラテジストらは「さまざまなリスクを連邦準備制度が過小評価しており、その結果、将来的に政策ミスを犯すインプライドプロバビリティー(予想される蓋然=がいぜん=性)が高まる状況を株式市場が暗示している公算が大きい。政策ミスの蓋然性がより高いという見方が、ニュースに反応した株価の下げに表れている」と主張した。

  コラノビッチ氏とカプラン氏によると、株式市場の認識が連邦準備制度の見解と乖離(かいり)していることを示す発言には、「バリュエーション(株価評価)が上限に達している」や「複数の利上げが必要ないし適切」、「株価の急落は持続すれば注意に値する」などが含まれるという。

原題:JPMorgan’s Kolanovic Sees Equity Markets Disagreeing With Fed(抜粋)

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