イタリア:2020、21年の財政赤字目標引き下げ-EUに一定の譲歩

更新日時
  • 19年の財政赤字目標はGDP比2.4%で維持
  • モスコビシ欧州委員:19年が修正されなければ規則違反の恐れ

イタリア政府は3日、2019年の財政赤字目標を対国内総生産(GDP)比2.4%とし、20年と21年には同比率を引き下げる方針を表明した。欧州連合(EU)に一部譲歩する形となった。EUはイタリアのトリア財務相に対し、連立与党が要求する歳出予算を抑制するよう圧力をかけていた。

  イタリアは先週、19-21年の財政赤字目標をいずれもGDP比2.4%とする方針を示していた。

  財政赤字目標の当初の発表予定日から5日経過しても、イタリア政府はまだ財政計画の根拠となる経済成長見通しを示していない。政府報道官は、こうした詳細の発表は4日になると述べた。

  コンテ首相は、「われわれは自分たちの約束を尊重する」とした上で、「これは真剣で責任が重く、勇気ある予算だ。イタリアは力強い成長が必要だ」と語った。

  コンテ首相率いるポピュリスト政権の19年の財政赤字目標は、前政権が掲げたGDP比0.8%の3倍に当たる。トリア財務相は0.8%はもはや達成不可能になったと繰り返し述べていた。現政権は20年に同比率を2.1%、21年に1.8%に引き下げることを目指す。

  トリア財務相は、選挙公約実行のために予算拡大を求めるディマイオ、サルビーニ両副首相など連立政権内の抵抗勢力と闘ってきた。トリア氏は先週、財政赤字目標が2.4%に決まる直前まで2%に引き下げようと試みたとされているが、最終的に合意したという。

  連立政権はまた、債務残高の対GDP比率を21年に126.5%まで引き下げることも約束した。

  EUの行政執行機関、欧州委員会のモスコビシ委員(経済・財務・税制担当)は、イタリアの財政赤字予測が修正される可能性があるのは「良い兆し」としながらも、19年の目標が修正されなければEU規則に反する恐れがあると指摘した。

  イタリア連立政権の財政政策を巡る同国とEUの争いは、イタリア国債相場を欧州債務危機のピーク時以来の低水準に押し下げていた。イタリア10年債利回りは2日、14年以来の高水準で取引を終了した。その後、イタリア政府のEUへの譲歩が漏れ伝わったことから、14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。

原題:Italy Offers to Cut Deficit From 2020 in Peace Offering to EU(抜粋)

(コンテ首相やモスコビシ委員のコメントなどを追加して更新します.)
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