Photographer: Carlo Gabuco/Bloomberg

世界で最も値下がりした株式相場、それでも投資家は買い出動に慎重

  • フィリピン総合指数、6600程度まで下落の可能性も-パディラ氏
  • 年初来下落率は17%-予想PER15倍と過去5年平均を下回る
Photographer: Carlo Gabuco/Bloomberg

フィリピンの一部の資産運用担当者にとって、世界で最もパフォーマンスが悪い株式市場に買い出動するのは依然として時期尚早のようだ。

  指標のフィリピン総合指数は2日の取引時間中に7100を割り込み、バリュエーションが2016年1月以来の低水準に落ち込んだ。メトロポリタン・バンク・アンド・トラストは様子見姿勢をとる金融機関の1社。同行の株式責任者ジョン・パディラ氏は、高いインフレ率や石油価格の上昇、軟調な通貨ペソ、金利上昇、流動性の枯渇に懸念を示す。

  4500億ペソ(約9450億円)の運用に携わるパディラ氏は「誰もがインフレ高進に身構えてポジションを取っている。石油価格の持続的な上昇もあり、現時点で安値を拾いたいとは思わない」と述べた上で、「かつては押し目買い戦略が機能していたが、今は様子見で相場の成り行きを見守るのが賢明だ」と語った。

  フィリピン総合指数は昨年末からここまで約17%下落。世界の株式市場で最も下落率が大きく、来年の利益予想に基づく株価収益率(PER)は15倍と、過去5年の平均を下回る。

  最近の新興国市場の資産値下がりや米中の貿易摩擦は、フィリピンが直面する逆風に新たな不安を加えたにすぎない。海外投資家は今年ここまでに約16億ドルの資金を引き揚げており、これは過去4年間の流入額を上回る。

  パディラ氏は、フィリピン総合指数が短期的に7000を下回ることはないとは言えず、6600程度まで下がる可能性があると分析。消費者物価やペソ、金利、流動性に改善が見られれば、同行は「アンダーウエート」としている株式の投資判断を変更すると述べた。9月の消費者物価指数(CPI)は5日発表の予定。

  同氏は「今は株式に投資するより、定期預金に資金を預けた方がより良いリターンが得られる。株式のリターンは横ばいがせいぜいで、間違った銘柄を選べば資金の一部を失うリスクがある」と語った。

  一方、リザル・コマーシャル・バンキングで600億ペソの運用に携わるスティ-ブン・コ-氏は、一段のリスクは限定的とみている。フィリピン総合指数は6900まで下落する可能性があるものの、センチメントの改善に伴い年内に8000まで上昇する公算もあると予想。インフレはピークに達するとみる同氏は、ペソは今年既に最大の下げを記録したかもしれないと語った。
            
  同氏は「われわれは依然として現金を保有しているが、検討する価値がある売られ過ぎた銘柄を選別的に購入している」と説明。相対的に高い利益成長を見込む不動産株や、過度に売られ過ぎたと判断している銀行株を同氏は選好している。

原題:The World’s Worst Stock Market Is Not Cheap Enough to Buy (1)(抜粋)

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