ドル・円は小幅高、イタリア財政を巡る懸念後退-113円台後半

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  • 伊政府が財政赤字を2021年にGDP比2%へ低下目指すとの報道
  • 報道内容はポジティブ、ドル・円の買い戻しの動きに-ドイツ証券

東京外国為替市場のドル・円相場は小幅上昇。イタリアの財政予算案に関する一部報道が好感され、リスク回避の動きが巻き戻された。

  ドル・円相場は3日午後3時5分現在、前日比0.1%高の1ドル=113円78銭。取引序盤は、イタリアの財政問題に対する懸念から調整地合いとなった前日の流れを受け、113円52銭まで売りが先行したものの、伊紙コリエレ・デラ・セラのイタリア予算を巡る報道が好感され一時113円84銭まで上昇した。

  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、ドル・円相場について、イタリアの予算問題への警戒から「これまでの上昇に対する微調整が入っていたが、買い戻しの動きになった」と説明。その上で「米株の上昇が続いている上、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言も経済に自信を深めている様子で、イタリアの問題が無ければドル・円は114円台を探る動きになりそう」と述べた。

  伊紙コリエレは、イタリアの2019年予算案に関連して、同国政府が単年度財政赤字の国内総生産(GDP)比率を21年に2%へ低下させる方針を盛り込む方向と報じた。

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  同報道についてドイツ証券の小川氏は、「財政赤字の対GDP比の数字は二転三転しており、直近でも3年間で2.4%といった数字が出ていたことから、報道の内容の通りならばポジティブで、ユーロやイタリア国債の買いにつながる話だ」と指摘。一方で、「内容の信ぴょう性や報道で指摘された数字の実現性などは、これから検証されていくことだ」と述べた。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行マーケッツ本部の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、イタリア問題について「警戒はあるものの、最終的には合意されるとみられ、これを手がかりにドル・円が押した局面は買い場になる公算が大きい」と指摘。週末5日に公表される9月分の米雇用統計の結果が好調であれば「ドル・円は再び114円台で上値を探る動きになっていくだろう」との見方を示した。

  一方、三菱UFJ銀行の平井邦行上席調査役(ニューヨーク在勤)は、10月から11月にかけて、米企業決算発表やイタリアと欧州連合(EU)の予算協議、ブラジル大統領選挙や11月の米中間選挙とイベントが続くと指摘。「中間選挙を控えて政治的な駆け引きが活発化してきており、一辺倒にドル買い、米株買い、米国債売りという風にはなりづらくなっている」として、一旦リスクを落とす動きでドル・円が112円台に下押すリスクがあるとの見方を示した。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、前日比0.3%高の1ドル=1.1578ドル。コリエレ紙報道を受けて一時1.1594ドルまで上昇した。ユーロ・円相場も1ユーロ=130円97銭を安値に131円98銭まで上昇する場面があった。

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