三菱商:カナダのLNGをアジアに供給、輸出基地建設ー2400億円投資

  • シェルなどとの合弁事業で最終投資決定、総開発費用は1兆6000億円
  • カナダのシェールガス由来LNGを2020年代半ばから輸出

三菱商事は2日、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルなどと共同で、カナダ西海岸に液化天然ガス(LNG)の輸出基地を建設する事業への投資を決めたと発表した。基地の総開発費用は140億ドル(約1兆6000億円)。2020年代半ばからカナダで産出されたシェールガス由来のLNGを日本を中心にアジア新興国向けにも輸出する方針。

LNG輸出基地の完成予想図

Source: LNG Canada

  三菱商が投資するのは「LNGカナダプロジェクト」。シェルが40%を出資するほか、マレーシア国営石油ガス会社ペトロナスが25%、ペトロチャイナ(中国石油)と三菱商がそれぞれ15%、韓国ガス公社が5%の権益を持つ。三菱商やシェルは同日、事業の最終投資決定(FID)を行ったと発表した。三菱商は出資比率に応じた2400億円を投資する。  

  ブリティッシュ・コロンビア州のキティマット港に年1400万トンの生産能力を持つ液化・輸出設備を建設する。三菱商は同州に権益を持つガス田からシェールガスを調達し、今回新設する設備で液化した上でLNGを輸出する。三菱商の引取量は年210万トン。同社は現在、日本の需要の約1割に相当する同800万トンのLNG生産を手掛けている。

  カナダは地政学的リスクが低いうえ、日本までの航行距離も短いというメリットがある。キティマット港から日本までのLNG船での輸送日数は約10日。メキシコ湾からの約30日と比べて短く、輸送コストを抑えられる。新たな調達先を確保することで、世界的に伸びるLNG需要の増加に対応する。 

  ブルームバーグ・ニュー・エナジーファイナンス(BNEF)によると、世界のLNG需要は30年までに年4億5000万トンと17年の2億8400万トンから5割超拡大する見通し。特にアジアでの需要が全体の伸びの8割超を占める。

  LNGカナダプロジェクトは、当初は16年末のFIDを計画していたが、天然ガス価格に影響を与える原油価格の急落などもあり投資決定が先送りされていた。

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