ギリシャ首相、年金削減撤回ちらつかせる-19年予算案で、選挙意識

  • 来年2月にも総選挙実施の臆測を国内メディアは伝える
  • 年金削減撤回なら、投資家に構造改革後退の印象与える恐れ

ギリシャのメディアが来年2月にも総選挙実施との臆測を伝える中、チプラス首相らは有権者を意識した2019年予算案を1日明らかにした。与野党とも減税を約束しており、債務危機対応の金融支援を8月に脱した同国の財政政策に対する信頼が問われている。

  チプラス首相は1月に予定していた年金削減を撤回する姿勢を示した。年金をカットしなくても、ユーロ圏と国際通貨基金(IMF)が定めた財政目標を達成できるとしている。数カ月の協議を経て合意された年金改革は、一部債権者がギリシャに欠かせない構造改革だとみており、実施撤回は支援脱却後のギリシャが改革を後退させている印象を与える恐れがある。

  同首相が率いる急進左派連合(SYRIZA)は世論調査で野党の新民主主義党(ND)に後れを取っており、チプラス首相は支持率を高めるために緊縮色の薄い予算にしたい考えだ。

  1日公表された案では、債務比率が今年は国内総生産(GDP)の183%に上昇後、2019年は170%に下がる見通し。同国は金融支援を受けた際の債権団との約束で、利払い前で対GDP比3.5%の財政黒字を22年まで実現しなければならない。年金を予定通り削減すれば、19年の基礎的財政黒字の対GDP比は4.1%と、今年見込まれる3.7%から改善するが、年金カットを実施しなければ3.6%に下がる見込み。

原題:Tsipras Tests Greek Budget Credibility With Pitch to Voters (2)(抜粋)

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