米とカナダが貿易交渉で合意、メキシコに合流-NAFTA見直し

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  • 3カ国協定の枠組みを維持、3カ国首脳が11月末までに署名
  • 新協定の名称は米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)

米国とカナダの貿易交渉が妥結、メキシコを含めた3カ国協定の枠組みが維持されることになった。3カ国首脳が11月末までに年間1兆ドル(約114兆円)規模の域内貿易に関する新協定に署名する準備が整った。

  米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表とカナダのフリーランド外相が発表した30日の共同声明によれば、3カ国は24年前に締結された北米自由貿易協定(NAFTA)を新たな協定に置き換えることで合意した。新協定の名称は米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)。

新協定では米農家のカナダ乳製品市場へのアクセス拡大が盛り込まれた

Photographer: Christinne Muschi/Bloomberg

  USMCAには米農家のカナダ乳製品市場へのアクセス拡大のほか、知的財産権条項の強化、自動車の原産地規則の厳格化が盛り込まれる。トランプ政権高官2人が匿名を条件に記者団に明らかにした。

  事情に詳しい関係者3人によると、カナダの自動車輸出は、一定の水準まで米自動車関税の影響を受けない見通し。

  米国とカナダは今回のNAFTAを巡る対立以前は、国家安全保障と貿易の両面で極めて親密な関係にあった。しかしトランプ米大統領の非常に攻撃的な交渉スタイルと、カナダのトルドー首相の乳製品や紛争解決メカニズムなど重要問題で譲らぬ姿勢が相まって、両国の同盟関係は厳しい試練に直面していた。

  メキシコのペニャニエト現大統領が11月末の任期満了前にNAFTA再交渉の合意に署名できるよう、米国とカナダの交渉担当者が30日深夜の期限前の妥結を目指し、週末も休みなしで協議を続けていた。

  NAFTAを「最悪」と評し、米貿易赤字の縮小と国内製造業雇用の回復を公約したトランプ大統領にとって、NAFTA改定は大きな成果となる。

  新協定の批准には3カ国の議会承認が必要。米議会が同協定の採決を行うのは来年になりそうだ。11月の中間選挙の結果、民主党が下院の過半数議席を獲得する可能性があり、その場合はトランプ大統領が承認を得にくくなる。米通商法によると、米政権は9月末までに新協定の条文を公表しなければならない。

  新協定には、メキシコとカナダの現行の自動車輸出と将来の生産への米関税適用を免除する輸出枠の補足文書も盛り込まれると、事情に詳しい関係者1人が明らかにした。ただ、具体的内容に関するコメントを控えた。

  交渉に詳しい関係者3人が明らかにしたところによると、カナダ向けの自動車関税救済措置では、カナダの現在の自動車生産台数約180万台は、トランプ米大統領が警告している関税の影響を受けない。関係者の2人によれば、カナダの対米自動車輸出が年間260万台を突破するまで関税は適用されない。

   トランプ大統領がカナダ、メキシコ両国に課した鉄鋼・アルミニウム関税については引き続き有効であり、別個に対応すると当局者らは語った。関税解除がいつ可能になるかの時期的な見通しは明らかにしなかった。

  いわゆるNAFTA19条の紛争解決メカニズムは、新協定ではそのまま残されると、当局者らは語った。

原題:U.S, Canada Agree to Nafta Replacement That Includes Mexico (1)(抜粋)

(4段落目以降に合意内容などを追加して更新します.)
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