ドル・円が11カ月ぶりに114円台乗せ、日米金利差・株高・実需買いで

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  • 一時114円ちょうどと2017年11月9日以来の水準まで上昇
  • ドル・円上昇、日米金利差拡大観測や需給要因大きいー三菱モルガン

東京外国為替市場のドル・円相場は一時、約11カ月ぶりに1ドル=114円台に乗せた。日米金利差の拡大観測や株高、実需筋の需要などを背景に、ドル買い・円売りの流れが継続した。

  ドル・円相場は1日午後4時18分現在、前週末比0.3%高の113円98銭。朝方に付けた113円59銭を日中安値に上昇基調を強め、欧州時間にかけて一時114円ちょうどと2017年11月9日以来の高水準を付けた。円は主要通貨に対してほぼ全面安。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、ドル・円の上昇について、日本銀行が消費増税後ぐらいまで現行の低金利政策を続けると表明している半面、米連邦準備制度理事会(FRB)は12月の追加利上げがほぼ確実視されている状況から「金利差拡大観測がある」ことに加え、「ここにきて実需の買いがすごく増えている印象」と説明した。

  米長期金利はこの日の時間外取引で一時1ベーシスポイント(bp)高の3.07%程度に上昇。前週末終値は1bp高の3.06%程度だった。一方、日本の長期金利は0.125%で推移している。

  東京株式相場は続伸。日経平均株価は前週末比125円72銭(0.5%)高の2万4245円76銭と1月に付けた年初来高値を上抜け、約27年ぶり高値で引けた。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、安倍晋三首相の自民党総裁選勝利や株高、米長期金利の3%台定着、日米通商リスクの後退などを背景に、「ドル・円はようやく年初来高値を更新してきたことで弾みがついている。海外勢も先々週まではクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)の買い中心だったが、先週くらいからドル・円の買いにも触手を伸ばしてきている」と指摘。「今週末の米雇用統計ではしっかりとした賃金の伸びが確認されるとみられており、ドルは一段と上昇する可能性がある」と述べた。

  日銀が1日発表した企業短期経済観測調査(短観、9月調査)で、大企業・製造業の業況判断DIは3期連続で悪化した。大企業・製造業の2018年度の想定為替レートは1ドル=107円40銭。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、「足元の市場実勢とのギャップはかなり大きく、輸出関連企業の18年度の業績上方修正に今後つながり得る」とみている。

9月の日銀短観調査に関する記事はこちらをご覧下さい。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.2%安の1ユーロ=1.1578ドル。前週末にイタリア財政懸念の高まりを受けて一時1.1570ドルまで下落し、9月12日以来のユーロ安・ドル高水準を付けた。

イタリアの財政に関する記事はこちらをご覧下さい。

  FPG証券の深谷幸司社長は、「イタリア財政懸念によるユーロ安もいったん落ち着くと思う。ただ、ドルがしっかりなのでユーロが反発するかは別の話。ユーロ・ドルは欧州の経済指標を見ながら1.16ドル挟みの展開ではないか」と述べた。

  米ドル・カナダドルは一時1米ドル=1.2814加ドルと5月23日以来の米ドル安・加ドル高水準を付けた。米国とカナダの貿易交渉が妥結し、メキシコを含めた3カ国協定の枠組みが維持されることを受けてカナダドルが買われた。

NAFTA見直し合意に関する記事はこちらをご覧下さい。

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