ECBの利上げ機運、ユーロ上昇懸念が妨げる恐れ

  • ユーロ圏の経常収支黒字は金融政策の正常化を進めにくくする恐れ
  • 一部の当局者は既に為替相場動向に懸念示す

欧州中央銀行(ECB)が来年の政策金利「引き上げ開始」シグナルを発しているものの、さほど大きくは引き上げられない可能性がある。

  投資家の間では、多少の利上げでもユーロ上昇を誘発し、経済成長を損ないインフレを抑制するとの見方がある。そのためユーロ圏の金利は今後数年、ほぼゼロ付近にとどまる可能性がある。米国の景気が減速した場合の影響も、ECBの政策引き締め余地を縮小させかねない。

  ECB当局者にとってジレンマは、ユーロ圏が輸出重視やリセッション(景気後退)以降の支出減少で多額の経常黒字を抱えていることだ。これはユーロ相場押し上げ圧力となるが、今のところECBの超金融緩和策がこれを抑えている。

  アバディーン・スタンダード・インベストメンツのマネーマネジャー、ジェームズ・エイシー氏はこうしたジレンマについて、「ECBの仕事の困難を浮き彫りにする」と述べ、現在マイナス0.4%の中銀預金金利をゼロまで引き上げることもできない可能性があると指摘した。

  ECBが中銀預金金利をマイナス圏に引き下げ、資産購入プログラムの土台作りを行った2014年当時、為替相場は1ユーロ=1.40ドル前後で推移していた。ユーロはその後、ドルと等価に近い水準まで下落したが、景気回復につれて緩やかに持ち直し現在は1.16ドル前後。今年序盤には1.25ドル付近となる場面もあり、一部当局者が懸念を表明した。

原題:ECB Rate-Hike Momentum Could Be Hampered by Fear of Euro Gains(抜粋)

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