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日銀短観、景況感3期連続の悪化-原料高や天候不順が影響

更新日時
  • 大企業・製造業がプラス19と前回調査から2ポイント悪化
  • 非製造業はプラス22と2ポイント悪化-為替想定はやや円安に
BOJ Headquarters and Governor Haruhiko Kuroda News Conference as Bank Holds Interest Rates
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
BOJ Headquarters and Governor Haruhiko Kuroda News Conference as Bank Holds Interest Rates
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行が発表した企業短期経済観測調査(短観、9月調査)の大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は3期連続で悪化した。3期連続の悪化はリーマンショックで過去最低を記録した2009年3月以来9年半ぶり。原材料高や自然災害による影響で景況感が悪化した。

キーポイント

  • 景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いたDIは大企業・製造業がプラス19と前回調査から2ポイント悪化ーブルームバーグ調査の予想はプラス22
  • 非製造業はプラス22と2ポイント悪化-予想はプラス23
  • 先行きは製造業がプラス19、非製造業はプラス22と横ばいを見込む
  • 2018年度の為替想定は1ドル=107円40銭と前回(107円26銭)から小幅円安方向に設定


景況感の動き


背景

  世界経済の回復が続いていることから企業収益が好調を維持する一方、米国の保護主義的な通商政策や豪雨や大型台風、北海道地震など自然災害による悪影響もあり、景況感はおおむね横ばいにとどまるとの見方が強かった。

  米国が検討している日本車への追加関税については、9月末の日米首脳会談で「日米物品貿易協定(TAG)」交渉の開始で合意。交渉中は適用が回避される。

  4-6月期の実質国内総生産(GDP、改定値)は前期比年率3.0%増と、設備投資の高い伸びを反映し速報値(1.9%増)から上方修正された。政府は9月の月例経済報告で、国内景気は「緩やかに回復している」との判断を維持したものの、「通商問題の動向が世界経済に与える影響」のほか、「相次ぐ自然災害の経済に与える影響」に留意する必要があるとの姿勢を示した。

  黒田東彦総裁は9月25日の講演で、景気は「緩やかに拡大している」と述べる一方で、米中の貿易摩擦など保護主義的な動きが「今後、貿易や企業の投資活動にどこまで影響を及ぼしていくのか、しっかりと点検していく必要がある」との見方を示した。短観の結果を受け、日銀は10月の金融政策決定会合で「緩やかな拡大を続ける」としている日本経済の先行きについて改めて精査する。

エコノミストの見方

  • 農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、大企業・製造業は22カ月連続のプラスとなっており「景況感が悪化しているとは思っていない」と述べた。日米物品貿易協定(TAG)交渉開始や自動車追加関税の凍結については「製造業にとって悪い話はなくってきている」としながらも、米中間交渉は続いており「余波はあるだろう」と指摘した。
  • みずほ総合研究所の坂本明日香エコノミストは、大企業・製造業について貿易摩擦の影響は自動車には出ていないとの見方を示す一方で、素材の繊維や石油の悪化が予想を上回ったと語った。非製造業は自然災害が個人サービスや宿泊・飲食に影響を与えており、今後もしばらく続くと分析している。

詳細

  • 大企業・自動車はプラス16と1ポイント改善-先行きはプラス14と2ポイント悪化
  • 国内での製商品・サービス需給判断DIは大企業・製造業がプラス1と3ポイント改善、1990年8月調査(プラス2)以来の水準。
  • 製商品在庫水準判断DIは大企業・製造業がプラス7と1ポイント過大超方向の動き。過大超方向の動きは10期ぶり。
  • 雇用人員判断DIは全体に不足超幅が拡大。大企業・全産業のマイナス23は1992年2月(マイナス24)以来の水準。
  • 日銀調査統計局の二宮拓人経済調査課長
    • 大企業・製造業は素材中心に原材料高によるマージンの悪化や、天候要因・自然災害が下押しに寄与
    • 通商問題は先行きを慎重に見る要因としては前より増えている。円安要因を挙げる声は目立たなかった
(エコノミストコメントを差し替え、詳細を追加しました.)
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