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金融正常化か追加緩和か、日銀は両にらみ-主な意見

  • 「政策の柔軟化を将来的に検討する余地」と正常化へ向けた声
  • 「下振れリスクへの備えが重要」と追加緩和方向の議論求める発言

日本銀行が18、19両日開いた金融政策決定会合では、正常化へ向けた金融政策のさらなる柔軟化の検討を求める声が出た。一方で、追加緩和の必要性を訴える意見があり、日銀内の議論が正常化と追加緩和の両にらみとなっていることが浮き彫りになった。28日に会合の「主な意見」を公表した。

  ある委員は「市場機能維持の観点から、金融政策の柔軟化を将来的に検討する余地はある」と指摘。日銀は7月会合で、長期金利変動幅拡大など現行政策の持続性を強化する措置を決定したが、早くも正常化方向の見直しの可能性に言及した。

  7月の修正を「金融緩和の副作用への目配りも行いつつ、強力な金融緩和を粘り強く続けることをより明確にした」と評価し、「引き続き丁寧に説明していくことが重要」との意見もあった。

  逆に「経済・物価の下振れリスクへの備えが重要」として、追加緩和方向の議論の必要性を指摘する声も出た。この委員は「金融政策は、声明文の用語からして一般の家計や企業にとって分かりにくい面があるとの認識に立って、改善を続けていくべきである」と主張した。

  「金融政策の時間軸について政策委員の中で議論を深めておくべきではないか」との問題提起もあった。この委員は「金融緩和効果は時間とともに減衰しうる」と指摘。長短金利を長期間一定水準に誘導する戦略が「有効なのか判然としない」と現行の枠組みに疑問を投げかけた上で、「追加緩和によって、政府とともに、企業や家計の前向きな行動変化を一段と後押しする必要がある」と発言した。

  追加緩和論が存在感を増した背景には景気の下振れリスクの高まりがある。海外経済について「先行きの不確実性、不透明感も高まっている」、国内経済も「先行きの経済・物価を巡る不確実性が増しており、注視する必要がある」など、リスクを不安視する声が出ている。

  9月会合では、長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営方針の維持を7対2の賛成多数で決定した。「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」としたフォワードガイダンス(政策金利の指針)も据え置いた。日銀は10月30、31両日の次回会合で新たな経済、物価の見通しを示す。

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