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「空飛ぶクルマ」を2000万円台で、23年の日本発売時-開発者代表

  • 東京五輪開会式での聖火点灯実現に向け関係者と協議中
  • まずは研究機関や公的機関に販売、27年には一般に広く販売
「空飛ぶクルマ」を2023年に販売、2000万円台で

トヨタ自動車やパナソニックなどが支援する開発者グループ「カーティベーター」は、2023年に「空飛ぶクルマ」を2000万円台で販売を開始することを想定している。発売に先立ち、東京五輪の開会式でお披露目飛行を実現することを目指す。

  カーティベーターの福沢知浩共同代表がブルームバーグのインタビューで明らかにした。トヨタやパナソニックのほかNECや富士通など約50の企業や団体などから資金や部材、技術の支援を受けるこのプロジェクトには、約100人の技術者や学生などがボランティアで参加。バッテリーで駆動し飛行と陸上走行が可能な「スカイドライブ」の開発に取り組んでいる。

  23年に国内販売を始め、27年に先進国、30年には新興国での量産開始を計画している。機体の開発はカーティベーターが手掛けるが、実用化に至れば福沢氏が代表を務めるスカイドライブが製造と販売を担う予定。 

Flying Car Council 'Cartivator' Heads Interview

カーティベーター共同代表・福沢氏(左)と中村氏

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  海外では既に欧米を中心に空飛ぶクルマの開発が本格化している。米ウーバー・テクノロジーズは「エアタクシー」のコンセプトを打ち出し23年の実用化を目指しているほか、欧州エアバスや米ボーイング、ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンの高級車部門アウディなど大手企業に加えてベンチャー企業も開発競争にしのぎを削っている。

  政府は空飛ぶクルマの開発で日本勢が世界に出遅れたことに危機感を募らせており、国際的なルール作りを主導することや新たな産業を育成するため開発を後押ししている。経済産業省などは8月に官民協議会を設立してカーティベーターを含む21の企業・団体を交え1回目の会合を実施。今後月1回程度のペースで協議を重ね、年内に技術開発やインフラの構築、制度設計などのロードマップを策定することを目指している。

克服すべき課題多い

  福沢氏によると、実証試験や災害援助向け訓練などを目的とした購入が期待できる大学などの研究機関や公的機関を発売当初の販売対象として想定。27年の量産開始後は、質感や居住性を高め「富裕層の個人向けに加え、複数オーナーによるシェアリングや運輸関連の法人向け」に販売する考えだと話した。一方で、普及には機体開発だけではなく、ルールの設定や発着場所、充電施設などインフラ環境の整備が不可欠なことから克服すべき課題は多いと話した。

CARTIVATOR's flying car

カーティベーターの「空飛ぶクルマ」のイメージ

Source: CARTIVATOR

  当面の目標は20年の五輪開会式での空飛ぶクルマによる聖火点灯だ。インタビューに同席した共同代表で開発プロジェクトのリーダーを務める中村翼氏はこの狙いについて「将来的により多くの仲間や支援者を巻き込むためには、東京五輪でのフライトでPRするのが最適だ」と話した。東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の関係者にはすでに要望を伝え現在協議はしているものの、「何も決まっていない」という。

  福沢氏は政府主導で実用化に向けた動きが出てきたことで支援の申し出が増えており、これまでに企業などからの資金や物資の提供などで2億円相当の援助を集めることができたと明かす。しかし、五輪での飛行を実現させるための開発には不足しているという。自前主義にはこだわらず企業との提携を模索する可能性もあると述べた。

  SBI証券の雨宮京子シニア・マーケットアドバイザーは、電気自動車の次に来る株式市場のテーマの一つとして空飛ぶクルマに期待が集まっていると指摘する。海外では大手がベンチャー企業の買収や出資に乗り出す事例が増えている一方で、国内大手企業は依然として支援や協力など慎重な姿勢にとどまっており、どこが最初に動き出すかに注目したいとの考えを示した。

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