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FOMC:今年3度目の利上げ、今後の漸進的な利上げ方針を維持

更新日時
  • 年内あと1回の追加利上げ予想は12人に増加、前回は8人
  • 「緩和的な」という文言を削除、中立水準への接近を示唆

米連邦公開市場委員会(FOMC)は25-26日に開いた定例会合で、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25ポイント引き上げ2.00-2.25%のレンジに設定することを決定した。利上げは今年に入って3度目。2019年も緩やかなペースで利上げを続ける方針をあらためて示した。

  貿易摩擦が深刻化する懸念があるものの、FOMCの景気判断は前回声明から全く変わらず、前向きな内容を維持した。

  パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は会合後の記者会見で、「この漸進的な政策正常化は力強い経済の維持に役立っている」と発言した。

  現在の景気拡大期は大半において緩やかな成長にとどまっているが、パウエル議長は「米経済にとって非常に良い時期だ」と指摘した。

  声明は成長と雇用の伸びが「力強い」とし、インフレ率は当局の目標である2%付近にとどまっていると指摘した。
  
  最新のドット・プロット(金利予測分布図)によると、年末までの追加利上げを予想した金融政策当局者は12人と、前回予測の8人から大幅に増加。景気が予想外に下振れしない限り、12月の利上げはほぼ確実視されている。

The Fed's New Dot Plot

  前回8月1日の声明から唯一変わった点は、金融政策について長期にわたり表現してきた「緩和的」という文言の削除。金利が景気を浮揚も引き締めもしない中立水準に近づいていることを認めた格好だ。

  パウエル議長は緩和的な政策に関する文言を削除したことについて、経済指標を考慮しながら漸進的な利上げを進めるという方針の変更を示唆しているわけではないと発言。この日の利上げ後も政策はなお緩和的だと語った。

  同議長は経済が力強く金融状況はさほど不安定ではないとしながらも、関税と保護主義への回帰について懸念する声が高まっていると指摘。トランプ大統領から金利を低く抑制するよう圧力が掛かっていることについては、FOMCは経済の健全性を維持するという責務に注力していると述べ、政策決定の過程において政治を考慮することはないと言明した。

  今回の利上げは賛成9、反対ゼロの全会一致での決定だった。

  金融当局者はトランプ大統領が主導した減税が経済成長を継続的に押し上げるとの見方には引き続き懐疑的だ。今年と来年の経済成長率予測を上方修正した一方、2021年までには1.8%に減速するとみている。長期予測も1.8%。一方、トランプ政権は3%成長を維持するという目標を掲げている。

  声明と予測には貿易問題に関する懸念は言及されておらず、利上げ局面が早期には終わらないことを示唆している。

  声明は「委員会はFF金利の目標レンジのさらなる漸進的な引き上げが、経済活動の持続的拡大、力強い労働市場環境、およびインフレ率が中期的に委員会の対称的な2%目標付近で推移することと合致すると見込んでいる」との前回の表現を踏襲した。

  クラリダFRB副議長が加わり、FOMC参加者は16人に拡大した。予想中央値によると、FOMCは2019年に3回の利上げを予想している。

  ただ、市場はFOMCが最終的にはそれほど積極的にはならないと考えており、来年の利上げは2回しか織り込んでいない。FOMC予測の方が正しいと判明した場合、市場は利上げ見通しの変更を余儀なくされ、長期金利は上昇する。

  今回の利上げ局面で、FOMCが政策を「緩和的」と表現しなかったのは今回が初めて。しかし、その変更が意味するところは不明だ。

  ブルームバーグ・エコノミクスのチーフ米国エコノミスト、カール・リカドンナ氏は「『緩和的』という文言の削除はハト派的なシグナルではない」と指摘。「FOMCの圧倒的多数は金利が中立水準を下回っていると引き続き考えていることを予測は示している」と述べた。

  中立水準を巡っては議論が活発に行われている。FOMC内の予測では2.5-3.5%のレンジとなっている。パウエル議長は厳密な中立水準を特定することは不可能だとして、その重要性にはかねがね重きを置いていない。 
  
  さらに、当局者は金利が中立水準に達した時の行動についてまだ合意に至っていない。いったん利上げをやめるべきだとの声もあれば、中立を超える水準まで押し上げるべきだとの主張もある。

  当局者は声明で「経済見通しへのリスクはおおよそ均衡しているように見受けられる」との判断を維持した。

  今回のドット・プロットによると、政策金利の予測中央値は2020年に3.4%に達し、長期予測の3%を引き続き上回っている。6月の予測では20年は今回と同じ3.4%、長期予測は2.9%だった。今回初めて公表された21年の予測は3.4%になっている。

原題:Fed Hikes Rates as Powell Signals More Ahead With Economy Strong(抜粋)
Fed Hikes Rates as Powell Sees Economy Warranting More in 2019

(第3-4段落と最終2段落を追加し、更新します.)
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