日産自:計画通りの生産優先、検査軽視の風潮ー排ガス不正で報告

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  • 役員から現場監督者まで重大性の認識が極めて薄かった
  • 再発防止を目指し、工場での人員増強や老朽化した設備の更新を予定

日産自動車は26日、7月に発覚した排ガスや燃費測定の検査結果を改ざんするなどしていた不正についての原因分析と再発防止策をまとめた報告書を発表した。報告書では不正が起きた原因として、完成検査員の人員不足や計画通りの生産出荷を優先する検査軽視の風潮があったなどと指摘した。

  日産自は7月、国内の五つの工場で決められた環境とは異なる条件の下で排ガス・燃費の測定試験を行ったり、測定値を改ざんしたりするなどの不正行為があったと発表。対象車種は19車種、1171台としていたが、調査の結果1205台となった。国が定める保安基準は満たしているとして、リコール(無料の回収・修理)は実施していない。 

  今回の報告書によると、検査員は規範に違反することを認識しながら、測定値の改ざんを行っていたほか、検査員を監督する立場にある工長が、検査の実務を経験したことがなく、検査内容を理解していなかった。また、一部工場で検査に使用する設備に不具合があったことも、影響したという。

  検査員の証言から排ガス・燃費に関する不正以外にも検査の不実施やデータ改ざんが行われていたことも新たに分かった。一部工場においてブレーキ液残量警告灯の確認を実施していなかったほか、車体の全幅が検査規格を逸脱した場合、法令の規制を逸脱していないことを確認の上、測定値を検査規格内の数値に書き換えるなどしていた。対象車数は延べ253台。

  再発防止策では、排出ガス測定装置のプログラムのデータが書き換えられないようにするほか、同測定での試験条件を逸脱したデータを自動的に無効化するなどの仕組みを取り入れる。老朽化した設備の更新や再発防止のため取り組みも含めて、今後6年で1700億ー1800億円の設備投資を計画している。工場での人員は管理者も含めて今年度に約670人を増員する予定。

  同日午後、横浜市内の本社で会見した山内康裕チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)は「役員から管理職、工場の監督者層にいたるまで完成検査の基準・規定に反することの重大性の認識が極めて薄かったという点において、昨年の問題と根が同じと認識している」と語った。経営陣の責任については「まずは再発防止策に集中して取り組んでいきたい」と述べた。

  日産自の不正をめぐっては昨年9月、無資格の作業員が新車の完成検査を行っていたことも判明している。その後も同様の行為を繰り返していたことが発覚している。

(会見の内容などを追加します.)
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