金融庁:投資用不動産向けの融資審査でモニタリング実施へ-行政方針

  • 地域銀行の過半数の54行が本業で赤字、うち52行は2期以上連続赤字
  • 大手行は新興国含む内外経済・市場環境の急激な変化への対応が課題

金融庁は26日、今事務年度(2018年7月ー19年6月)の行政方針を公表、シェアハウスなど投資用不動産向け融資について融資審査や管理態勢のモニタリングを実施することを明らかにした。スルガ銀行の不適切融資などを受けて、顧客保護の観点から監督を強化する方針だ。

  金融庁はアパート・マンションやシェアハウスなどの投資用不動産向け融資について、今後、横断的アンケート調査や検査も活用しながら、適切な融資審査が行われているかや賃料水準の推移など管理態勢についても厳格に監視する。9月には、スルガ銀行が顧客に融資する際に残高を証明する通帳記録の偽造や改ざんなどで過剰な融資をしていたとの調査結果を同社の第三者委員会が発表していた。

  一方、日本銀行の超低金利政策や人口減少などで地域金融機関を取り巻く経営環境は厳しさを増しており、地域銀行の過半数の54行で本業利益が赤字となっている。このうち52行は2期以上の連続赤字。こうした中で経営戦略の実行態勢やリスク設定、ガバナンス(統治)機能が不十分なところがあると金融庁は指摘。また、今後は各財務局と連携して地域企業・経済の実態を把握し、金融仲介機能を高めるとした。

  大手銀行グループについては収益力が低下傾向にあり、グローバルに利益追求することによるリスクが蓄積しているとの認識を示した。その上で、新興国を含む内外経済・市場環境の急激な変化への対応や安定的な外貨調達に向けた取り組みが課題だとし、大手7行を対象としたレビューを実施し、リスク管理などへの取り組みを強化する。

  大手グループの貸し出しによる利息収入は減少傾向にあり、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガ3グループは昨年、人員削減や店舗統廃合などを含む構造改革案を発表。国内市場が少子高齢化で縮小する中、海外事業を拡大する意向も併せて示した。

  このほか金融のデジタル化戦略として顧客のプライバシー保護、情報・金融リテラシーの向上、キャッシュレス化を含む金融インフラのデジタル化促進など11の重点施策を掲げた。

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