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パナソニック副社長:テスラ用電池生産目標前倒し-生産地獄抜け

更新日時
  • ネバダ州の工場で電池セルの生産ラインを3本増設、13ライン体制に
  • マスク氏の言動は「好ましいことではない」が、事業に懸念なし

米国の電気自動車(EV)メーカー、テスラに電池を供給するパナソニックはテスラの自動車生産が軌道に乗ってきたことを受け、米国の工場での電池セル生産のペースを加速させる。

  パナソニックで車載用電池を含む自動車関連事業を統括する伊藤好生副社長は都内でのインタビューで、ネバダ州の電池工場で今後3ラインを新設し、年末までに13ライン体制を整備するとしていた従来計画については「前倒しをしていっている」と述べた。具体的にどれぐらい早めるかについては明らかにしなかった。

  テスラはいわゆる「生産地獄」から立ち直って順調な生産を続けており、パナソニックに対して電池の生産を急ぐよう求めていることを明らかにした。伊藤氏は現状では「ボトルネックになっているのはうちの電池」だとして、生産態勢の増強を急ぐ考えを明らかにした。

  テスラは従来の同社EVより価格が安い「モデル3」にパナソニック製の円筒形リチウムイオン電池を採用し、昨年7月から販売を開始した。事前予約だけで少なくとも30万台を上回る受注があるなど需要も旺盛で電池も含めて量産を進める計画だった。しかし、テスラ側の生産を巡る問題から計画は大幅に遅れた。今年1-3月期の生産台数は1万台に届かず、自ら工場に泊まり込んで対応するなどイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)自ら、「地獄」と呼ぶ状況が続いた。

  マスク氏は4ー6月期の最終週に週5000台の生産目標に達したことを明らかにした。これに対応してパナソニックは今年末までに年間35ギガワット時の生産能力を確保するべく、ネバダ州の電池工場「ギガファクトリー」で生産増強に取り組む考えを示していた。

  伊藤副社長は、ギガファクトリーでは1本のラインで数十台の設備が別々に作業する工程もあるなど独特の方式もあって生産の急激な立ち上げは「簡単ではない」との認識を示したが、テスラ側の問題が解消された今、生産の安定化へ全力を尽くしたいとした。

  テスラ株は26日の米ナスダック市場での取引で2.9%上昇し、309.58ドルで取引を終えた。27日のパナソニック株は前日比0.9%安の1337円で取引を終えた。

ツイート騒動、マリフアナ

  マスク氏を巡っては、テスラの非上場化を検討し、必要な資金は確保されたとする今年8月のツイッターの投稿に関して米司法省が捜査に乗り出したことを事情に詳しい関係者が明らかにしている。今月には出演したテレビ番組でマリフアナ(収録されたカリフォルニア州では合法)を吸ったりするなど、経営者としての資質を問われる言動が物議を醸している。

  伊藤氏はマスク氏のこうした言動について、「必ずしも好ましいことではない」とする一方で、テスラ側とは毎日のようにコミュニケーションを取って財務状況も確認しており、両社の協業に関して「何らかの大きな懸念事項があるという風には認識していない」と述べた。

  昨年、車載用角形電池事業での協業を開始したトヨタ自動車とは「世界一の電池を作る」との目標の下、議論を進めているという。「まだ具体的な話をする段階ではない」とする一方、年内には進捗(しんちょく)状況について何らかの発表ができる可能性があるとした。

  米国と中国の間で多様な品目で関税が引き上げられていることについて、伊藤氏は中国で大きな生産規模を持つパナソニックの事業に「相当なインパクトがある」との見方を示した。売上高や利益への影響額についてはコメントを控えたが、中国・大連で生産している自動車用部品などについて東南アジアやメキシコに移転させることも含めて、損害の回避に努めたいとした。

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